「
弥生賞ディープインパクト記念・G2」(5日、中山)
相沢厩舎ゆかりの血統馬
グリューネグリーンが逆襲の春をスタートさせる。前走の
ホープフルSは11着と大敗したが、今回のメンバーでは唯一の重賞覇者と実績上位の存在だ。前哨戦とはいえ、しっかりと存在感を示し、突然の死により夢途絶えた兄
ヴェルデグリーンの分まで、G1獲りに突き進む。
2戦連続でぶざまな姿は見せられない。祖母、母、そしてデビューした全てのきょうだいを管理してきた相沢師の思いを乗せて、メンバー唯一の重賞ウイナーである
グリューネグリーンが仕切り直しの一戦に臨む。
祖
母ウメノファイバーは99年
オークス馬。相沢師に初重賞と初G1をもたらした。繁殖馬としては結果を残せなかったものの、娘の
レディーダービーの2番子
ヴェルデグリーンが14年AJCCなど重賞2勝と活躍。ただ、G1制覇を夢見る中、6歳の時に放牧先で急死した。
「
ウメノファイバーは小さい馬だけど、すごかった。子どもにも期待していたけど、あまり走らなかった。オーナーには何千万円と使っていただいて、やっと
ヴェルデグリーンが走って恩返しできたのだけど…。まだまだやれると思っていたら、放牧先で死んでしまった。皮膚がんでね」
こう振り返ったトレーナーは、その数年後の20年3月、
グリューネグリーンの誕生で衝撃を受ける。「ヴェルデの時もすごくいい馬だと思ったけど、本当にそっくりだったから、最初から期待していたんだ。性格的にも似ている。ヴェルデはクラシックに間に合わなかったけど、この馬にはね」と、早期から大きな夢を抱いていた。
順調にデビューを果たし、3戦目の
京都2歳Sで重賞初制覇。前走の
ホープフルSで11着とまさかの大敗を喫したが、指揮官は決して力負けだとは思っていない。「今回は変な競馬をしないようにね。
皐月賞で邪魔だと言われたくないし(笑)」。志半ばで夢を絶たれた兄の分まで-。狙うはもちろんG1タイトル。ここで
プライドを取り戻し、堂々と胸を張って本番へ向かう。
提供:デイリースポーツ