ピカピカのG1ジョッキーにはたくさんの祝福が待っていた。団野は先週の
高松宮記念を
ファストフォースでV。検量室から出てきた後も騎手仲間とハイタッチをする姿が見られた。周りから愛されている、そんな一面がうかがえた。「LINEは凄く来ました。200件くらいですかね。返信も大変。2時間くらいはかかりました」と笑顔を見せた。若さゆえの勢い。もう一発に期待しよう。
大阪杯でコンビを組む
キラーアビリティは前々走の
中日新聞杯で重賞2勝目。自身の手綱でVを飾った。団野は斉藤崇厩舎に所属。自厩舎で初めての重賞勝ちだった。「厩舎には競馬学校の頃からお世話になっているし、たくさん助けてもらってもいます。恩返ししたい気持ちが強いです」と意気込みを語った。
3週連続CWコースで日曜、水曜と追い切りを消化。団野は最後の2回に騎乗して感触を確かめた。「水曜の追い切りは最後、余力がたっぷりありました。息の使い方も良かったですね。折り合いに苦労するところもありますけど、バネは感じます。うまくかみ合えば、しまいは来てくれますから」と力を込めた。
今年は
JRAで11勝を挙げ、リーディング25位につけている。「去年のこの時期と比べても勝てていないんですよね。同期(岩田望、菅原明ら)で初のG1勝ち?そこは特に感じるところはないです。みんな活躍していますし、追いつかないと、と思います。G1を勝ったことで、レースでも違ったところが出てくれれば」と気を引き締めた。
17年にG1に昇格し、
ディープインパクト産駒は3勝を挙げている。昨年はワンツーで、馬券に絡まなかった年は一度もない。良馬場で迎えられそうなのも絶好。感謝の末脚!今週もVロードを駆け抜ける。
◇団野 大成(だんの・たいせい)2000年(平12)6月22日生まれ、滋賀県出身の22歳。競馬学校35期生。栗東・斉藤崇厩舎所属。19年3月にデビューし、初勝利は3月17日の阪神12R。父・勝(まさる)助手の担当馬
タガノジーニアスで挙げた。
JRA通算183勝、うち重賞は21年
日経新春杯(
ショウリュウイクゾ)、
福島牝馬S(
ディアンドル)、22年
中日新聞杯(
キラーアビリティ)、先週の
高松宮記念(
ファストフォース)の4勝。1メートル62、47キロ。血液型A。
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高松宮記念VTR 同舞台1勝クラスの8Rが1分12秒3。何年かに一度レベルの不良馬場。そうした馬場が得意なはずの
キルロードすら、逃げたものの直線入り口で勢いを失う。直線は真ん中より外を通った馬が伸びる状況。序盤、押して馬群の外で7番手の団野
ファストフォースは、馬場の伸びるところを通って加速。外から
ナムラクレアが馬体を重ねたが、最後に突き放す力強さを見せた。
スポニチ