◆第83回
桜花賞・G1(4月9日、阪神・芝1600メートル)
2日の
大阪杯で史上最年長G1勝利記録を樹立した
武豊騎手(54)=栗東・フリー=が、2週連続のG1制覇をかけて第83回
桜花賞(9日、阪神)に参戦する。パートナーは無傷の3連勝Vを狙う
ライトクオンタム。05年の無敗3冠馬
ディープインパクトの最終産駒の一頭だ。偉大な功績を残した種牡馬ディープのクラシックもいよいよ最終章。父と全14戦でコンビを組んだレジェンドがその開幕を飾る。
天国の“盟友”に新たなタイトルを届ける。特別な思いを胸に秘めた
武豊が、
ディープインパクト産駒の
ライトクオンタムと
桜花賞に挑む。19年に死に、今年の国内6頭が最終世代となったディープ産駒のクラシック最終年。「ラストクロップでクラシックに乗れるのはうれしいし、楽しみ」と胸を高鳴らせた。
日本競馬界の至宝ディープには全14戦に騎乗。無敗の牡馬3冠を含むG1・7勝をともに勝ち取った。「本当に特別な馬」と語る名手も、娘の飛躍に期待を込める。「出遅れて(道中は)右にささって。かなりのロスはありましたが、勝ち切ったことは大きい」。前走の
シンザン記念は飛び上がるようなスタートで後手に回り、逃げ切ったデビュー戦とは一転して後方からの競馬。だが、直線は父をほうふつとさせる最速の末脚で差し切った。「能力は高そう。2戦目で牡馬相手に重賞を勝ったからね」。牝馬3冠を達成した12年
ジェンティルドンナ、18年
アーモンドアイも勝った出世レースを制し、同じ軌跡への第一歩を刻んだ。
成長も感じ取っている。3月29日の1週前追い切りで手綱を執り、栗東・CWコースで6ハロン84秒7―12秒0。
アリクテラー(3歳未勝利)と併せ、ゴール前の仕掛けに鋭く反応して頭差先着した。「右にささる面はましになっていた。重いウッドで動けるタイプではないと思うので、状態は悪くない」。昨年の牝馬1冠目は同じく弟・幸四郎調教師が管理する
ウォーターナビレラで2着。惜しくも鼻差で逃した
JRA史上初の「騎手&調教師」の兄弟G1制覇へ、再びチャンスが巡って来た。
大阪杯を
ジャックドールで制し、
JRA・G1通算80勝。54歳19日の史上最年長G1勝利を飾り、衰え知らずの存在感を示した。
桜花賞もすでに単独最多の5勝。ここを勝てば、昨年の
日本ダービーで樹立したクラシック最年長勝利もさらに更新する。「記録を、今度は自分で更新していけるように頑張りたい」。ディープの娘と先頭でゴールを駆け抜け、再び仁川で満開の笑顔を咲かせる。(戸田 和彦)
スポーツ報知