「
桜花賞・G1」(9日、阪神)
23年初戦となった22年度の最優秀2歳牝馬
リバティアイランドが、直線一気の圧巻の末脚で1番人気に応えて桜の女王の座に輝いた。鞍上の川田は史上6人目となる連覇達成。2着は6番人気の
コナコーストで、3着は5番人気の
ペリファーニアが入った。2週連続G1制覇&兄弟での
ビッグタイトル奪取を狙った
武豊騎乗の2番人気の
ライトクオンタムは、8着に敗れた。
見ている者をハラハラさせながらも、終わってみれば貫禄の差し切り。2歳女王から桜の女王に進化した
リバティアイランドの派手な演出で、桜舞う仁川は大歓声に包まれた。
思い描いたレースとは違った。発馬後、行き脚がつかず、道中は後方3、4番手を追走。それでも直線を迎えた川田は冷静だった。
「あの位置になってしまったのは仕方がないですしね。彼女がそういう走りを選択しましたので、その中でリズムをつくりながら動ける準備をしていました。あとは直線で彼女を信じて動いてもらうだけだと思いました」
言葉通り、直線は大外へ持ち出すと、
ゴーサインにしっかり反応。メンバー最速の上がり3F32秒9の末脚で一完歩ごとに前をとらえ、最後は先に抜け出していた
コナコーストをかわした。22年の
スターズオンアースに続く史上6人目の
桜花賞連覇を飾った鞍上は、「この馬らしい競馬をお見せすることができて、ホッとしています。無事に届いてくれて良かったです」と胸をなで下ろした。
ぶっつけ本番も全く関係なし。思っていたよりも後方からとなりヒヤヒヤしたのは中内田師も同様だったが、自身初となるクラシック勝利をつかみ取った。指揮官は「すごい馬だな思いました。ここのレースに向けて帰厩後も穏やかに調教ができていましたし、成長もしてくれました。3カ月、心身の成長を促したことが今回の競馬につながったと思います」と胸を張った。
まず“桜冠”を手にして今後の期待も高まるばかり。川田が「無事に今年初戦で1冠目を取ることができましたので、皆さんが期待されているであろうところへ向かって、この馬とともに歩んでいけたら」と意気込むと、師も「選択肢のひとつとして
オークス(5月21日・東京)はもちろんあります。馬の状態とオーナーサイドと協議して方針を決めたいです」と次なる戦いを見据えた。クラシック2冠へ-。女王の進撃は始まったばかりだ。
提供:デイリースポーツ