JRAは3日、若手6人の騎手に、30日間の騎乗停止処分(13日から6月11日まで)を科したことを発表した。開催日における不適切なスマートフォン使用事案が判明したため。JRAは騎手に対して、騎乗日前日の午後9時までに競馬場併設の調整ルームへの入室を義務付けている。外部との接触を遮断することで、情報の漏洩(えい)を防ぎ、公正を確保することが目的だ。
11年以降、財布や通信機器は原則、セーフティーボックスに預けることになっているが、ダウンロードした映像については調整ルーム内の部屋に持ち込みが可能。その際は職員への届け出が義務付けられているが、今回のように、レース間に使用するジョッキールームへの持ち込みは禁止されている。
また、20年4月以降は新型コ
ロナウイルス感染防止のため、競馬場の調整ルーム以外に、JRAが認める「認定調整ルーム」から競馬場へ移動することが可能となり、今回、角田河はこの認定調整ルームから
今村聖奈へ電話で連絡を取っていた。
◆過去の事例
中央競馬では過去にも同様の処分が行われている。11年5月に
大江原圭、13年7月に原田敬伍(引退)、15年3月にC・ルメール、16年10月に
丸山元気がそれぞれ調整ルーム内でツイッターなど外部との規則違反の通信を行ったとして、いずれも30日間の騎乗停止となっている。
競輪では03年11月に手島慶介が、持ち込みが禁止されている携帯電話を管理施設内で所持・使用したことで12カ月のあっせん停止。ボートレースでは04年1月に平田忠則が、通信機能付き電子手帳をレース場に持ち込み、1年間の出場停止処分を受けた。また、プロ野球では12年5月に
ヤクルト・バレンティンが試合中にツイッターを更新し球団から厳重注意を受けた例がある。
◆日本
中央競馬会競馬施行規程第147条
『第138条第1項各号及び第145条各号のいずれか又は前条に該当する場合を除き、次の各号のいずれかに該当する馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者又は厩務員に対して、期間を定めて、調教若しくは騎乗を停止し、戒告し、又は50万円以下の過怠金を課する』
19号「競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者」
提供:デイリースポーツ