「
ヴィクトリアマイル・G1」(14日、東京)
小雨を切り裂き、泥を散らして頂点をつかんだのは4番人気の
ソングライン。テン乗りの戸崎圭に導かれ、2つ目のG1タイトルを手にした。2着は22年の覇者で3番人気の
ソダシ。1番人気の
スターズオンアースが3着に食い込んだ。なお、優勝馬には23年のBCフィリー&メアターフ、1〜3着馬には
ジャックルマロワ賞、ムーランドロンシャン賞への優先出走権が付与される。
腹をくくった戸崎圭の好リードが光った。4番人気
ソングラインが、ゴール前の接戦をしのいでV。22年の
安田記念に続いてG1・2勝目をモノにした。
4角を回って外にスペースはなし。そして、物差しにしていた
スターズオンアースは若干、外へシフト。そのまま真っすぐならゴールまできれいに開けている…手応えは十分。坂を一気に駆け上がるのみだ。早め先頭に躍り出ていた
ソダシを見据えて右ステッキを振るう。馬体を内から合わせ、最後は測ったように頭差とらえた。「終始手応えもありましたし、内の悪い所も
バランスを崩さず走っていました。直線は外とも思っていましたが、馬の力を信じて内を行きました」。これで自身JRAG1・10勝に到達した鞍上は、相棒の力をたたえた。
昨秋はB
Cマイルへの壮行戦となるはずだった
セントウルSで5着。年明けのサウジ遠征も10着大敗。不本意な結果が続き、陣営は巻き返しに必死だった。戸崎圭との新コンビが決まると、林師は調教騎乗をあえて3週連続でオ
ファー。「関係者にもファンにも申し訳ないレースが続いていました。昨年の
安田記念も一歩踏み込んだ調教を積みましたけど、今回は当時を踏襲しつつ、さらに踏み込みました。スタッフもしっかりケアしてくれて、感謝しています」。そんなトレーナーの意気込みに対して戸崎圭も「意気に感じた」と振り返る。
今後について指揮官は「これだけの馬です。オーナーサイドと相談させていただいて、馬の様子を見ていきたいと思います」と明言を避けた。連覇の懸かる
安田記念(6月4日・東京)には中2週だが、昨年も同じローテを踏んでいる。再び一線級の牡馬を蹴散らせば、秋には昨年断念した米国遠征が視界に入るかもしれない。
提供:デイリースポーツ