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【尾形充弘元調教師のザ・戦評】戸崎君の“迷いのない騎乗”見事

デイリースポーツ
  • 2023年05月15日(月) 06時00分
 「ヴィクトリアマイル・G1」(14日、東京)

 小雨を切り裂き、泥を散らして頂点をつかんだのは4番人気のソングライン。テン乗りの戸崎圭に導かれ、2つ目のG1タイトルを手にした。2着は22年の覇者で3番人気のソダシ。1番人気のスターズオンアースが3着に食い込んだ。

  ◇  ◇

 ゴール前は人気馬3頭の追い比べに。その中で、ソングラインに騎乗した戸崎君の“迷いのない騎乗”が勝利を呼び込みました。

 好発から道中はスターズオンアースの2、3馬身後ろを追走。直線は逃げたロータスランドと2番手のソダシとの間があいたところをまっしぐらに突っ込みました。テン乗りの上に、4番人気という気楽な立場もあったでしょうが、結果として上位3頭は中団より前で競馬をしていました。戸崎君のポジショニングと思い切りの良さは見事でした。

 2着ソダシの地力は認めつつ、切れ味という点で私はやや軽視していましたが、大外枠からソツなく導いたレーン騎手はさすが。当たりが柔らかく、馬が気持ち良く走れるリズムで走っていましたね。スターズオンアースは3着。流れを考えれば、ルメール騎手は最善の策を取ったと思いますが、上がり3Fはソダシと同じ33秒6。良馬場発表とはいえ、人馬の顔は泥だらけでした。ある程度の位置で運んだ分、最後の切れ味が鈍った印象です。

 ナミュールは不利があり、展開も向きませんでしたね。対抗に期待したナムラクレアには、思い切って末脚にかける競馬をしてほしかった。驚いたのは4着に頑張ったディヴィーナ。5歳ですけど、ああいう競馬ができれば今後が楽しみです。(元JRA調教師)

提供:デイリースポーツ

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