「
ヴィクトリアマイル・G1」(14日、東京)
小雨を切り裂き、泥を散らして頂点をつかんだのは4番人気の
ソングライン。テン乗りの戸崎圭に導かれ、2つ目のG1タイトルを手にした。2着は22年の覇者で3番人気の
ソダシ。1番人気の
スターズオンアースが3着に食い込んだ。
◇ ◇
ゴール前は人気馬3頭の追い比べに。その中で、
ソングラインに騎乗した戸崎君の“迷いのない騎乗”が勝利を呼び込みました。
好発から道中は
スターズオンアースの2、3馬身後ろを追走。直線は逃げた
ロータスランドと2番手の
ソダシとの間があいたところをまっしぐらに突っ込みました。テン乗りの上に、4番人気という気楽な立場もあったでしょうが、結果として上位3頭は中団より前で競馬をしていました。戸崎君のポジショニングと思い切りの良さは見事でした。
2着
ソダシの地力は認めつつ、切れ味という点で私はやや軽視していましたが、大外枠からソツなく導いたレーン騎手はさすが。当たりが柔らかく、馬が気持ち良く走れるリズムで走っていましたね。
スターズオンアースは3着。流れを考えれば、
ルメール騎手は最善の策を取ったと思いますが、上がり3Fは
ソダシと同じ33秒6。良馬場発表とはいえ、人馬の顔は泥だらけでした。ある程度の位置で運んだ分、最後の切れ味が鈍った印象です。
ナミュールは不利があり、展開も向きませんでしたね。対抗に期待した
ナムラクレアには、思い切って末脚にかける競馬をしてほしかった。驚いたのは4着に頑張った
ディヴィーナ。5歳ですけど、ああいう競馬ができれば今後が楽しみです。(元JRA調教師)
提供:デイリースポーツ