昨年が1番人気で8着だった
イルーシヴパンサー(牡5、美浦・
久保田貴士厩舎)が、雪辱を期して
安田記念(3歳上・GI・芝1600m)に参戦する。
1年前の
イルーシヴパンサーは勢いがあった。1勝クラス、2勝クラス、3勝クラス、
東京新聞杯と4連勝の余勢を駆って、
安田記念に参戦。
シュネルマイスターを抑えて、1番人気に支持された。しかし、結果は8着。上がり3F最速タイの32秒6を使ったものの、展開不向きで上位には迫れなかった。その点、今年は始動戦の
京都金杯こそ勝ったが、前走の
中山記念は8着。並み居るGI馬にまじると、やや地味な存在となっている。ただ、前走は直線で前が詰まったので参考外。能力的な衰えは決してなく、それどころか遅咲き傾向の
ハーツクライ産駒だけに、今が充実期の可能性すらある。
84年の
グレード制導入以降、前年の1番人気馬が
安田記念に参戦したことは14回ある。88年に
ニッポーテイオーが2年連続の1番人気に応えて勝利したものの、その後は13連敗中。16年には
モーリス、20年には
アーモンドアイがそれぞれ1番人気に支持されながら2着に終わっている。
イルーシヴパンサーが勝てば、実に35年ぶりの前年1番人気馬V。人気に応えられなかった1年前とは一転、高配の使者となることを期待したい。