「
安田記念・G1」(4日・東京)
現役最強マイラーの誕生だ。G1馬10頭がそろった混戦を制したのは、4番人気の
ソングライン。中団から鮮やかに差し切り、G1連勝と史上3頭目の連覇を決めた。秋はB
Cマイル・G1(11月4日・米サンタ
アニタパーク)の参戦も見据える5歳牝馬は、さらなる飛躍を目指す。2着は3番人気の
セリフォス、3着は1番人気の
シュネルマイスター。2番人気の白毛馬
ソダシは7着だった。
完全に力の差を見せつけた。
ソングラインの戸崎圭には、ゴールと同時に右拳で小さく
ガッツポーズを決める余裕もあった。ヴィクトリアMから中2週でのG1連勝&連覇達成。首差の昨年や、頭差の前走と異なる1馬身1/4差のV。同じ単勝4番人気の勝利だが、質の違う完勝劇だった。
道中は中団外めでリズム良く運ぶと、勢い良く直線へ。右ステッキを合図に上がり3F33秒1の末脚を繰り出し、坂上で鮮やかに抜け出した。鞍上は「手応えは十分あったし、最後の脚にいいものがある馬。この馬のパフォーマンスを見せられたのでは。ここにきて1段、2段と上がっている。このような素晴らしい馬に巡りあえてG1連勝。感謝したい」と相棒に最敬礼だ。
G1勝ち馬10頭がそろう豪華メンバー。中2週の中間も、前走同様、2週続けてジョッキーを背に追い切るなど、攻めの調整を貫いた。これが自身のJRA通算100勝目だった林師は「ここに向け、できる限りのことをした。昨年より、前回より、さらに状態を上げてどこまでやれるか。馬に何と言っていいか。本当に夢みたいです」と感謝しきりだ。
92、93年の
ヤマニンゼファー、08、09年の
ウオッカに続く史上3頭目の
安田記念連覇。歴史に名を連ねた5歳牝馬には当然、さらに歴史を切り開く活躍に期待が集まる。この勝利で、B
Cマイル・G1の優先出走権を獲得。指揮官は「オーナーサイドと相談させていただいてから」と明言を避けたが、今秋は昨年、喉の状態が伴わず断念した米国遠征を視野に入れる。
「海外では今年はいい結果を出せなかったが、去年はサウジで結果を出している。適性はあるかと思います。米国で走らせたことがないので今後、関係各位からお話を聞いて、勉強させていただければ」と師。5歳にしてなお強くなる
キズナ産駒なら、きっと世界の頂も見られるはずだ。
提供:デイリースポーツ