日本ダービーの余韻も冷めやらぬ中、2021年生まれの2歳新馬戦が新たにスタートした。開幕土曜(3日)の阪神芝外1600メートル新馬戦を勝ち上がり、世代一番星となったのは
テラメリタ。父
ブリックスアンドモルタルは新種牡馬で、孝行娘がいきなり結果を出す最高の船出となった。
これに続けとばかりに日曜(11日)の阪神芝内1200メートルに
ドナヴィーナス(牝=
母スパイチャクラ・庄野)を送り出すのは同じく新種牡馬の
スワーヴリチャード。現役時代には
大阪杯(18年)、
ジャパンC(19年)のGI2勝を挙げ、20年から社台スタリオン
ステーションにスタッドイン。初年度から123頭の繁殖牝馬を集め、生産界でも着実にその存在感を増しつつある。
「基本的におとなしい馬だったけど、その中にもしっかり闘争心を持っていた。2歳から活躍して
ジャパンCまで勝ってくれたし、いい成長力を持った奥の深い馬だった。
ハーツクライの後継になってくれたら」と現役時の
スワーヴリチャードも管理していた庄野調教師は願いを込める。
産駒の印象については「初年度産駒は半分くらい見させてもらったけど“お父さんに似ているな”と感じる馬もいたし、“母系のいいところが出ているな”って馬もいてバラエティーに富んでいる。それでいて、みんな平均点の高い感じがしたね」
スワーヴリチャード自身、芝の中距離路線で活躍した一方で
安田記念でも3着に好走したスピードの持ち主。そこに母系の良さが
ミックスされれば、幅広いカテゴリーでの活躍が期待できよう。
父と同じ庄野厩舎からデビューする
ドナヴィーナスは前進気勢が旺盛で短めの距離が合いそうな印象だ。
「まだ走りたがり過ぎるところはあるけど、いくら走ってもバテない。小柄な牝馬でも、そのあたりはしっかりしている」
アーモンドアイが世界レコードを叩き出した超速決着の18年
ジャパンC(3着)を走った後でも、担当者がびっくりするくらいケロッとしていたという
スワーヴリチャード。そのタフさをしっかり受け継いだ愛娘の走りにまずは注目だ。
ちなみに庄野厩舎には次開催中京デビューを視野に入れた
スワーヴリチャード産駒
シャドフ(牝=
母シャンブルドット)も控えている。こちらも「走りの
バランスが良く、小柄な割に力強さがある。切れる脚を使えそうな印象で、先々まで楽しみ」とトレーナーは好感触を伝えており、ぜひチェックしていただきたい。
(西谷哲生)
東京スポーツ