北海道市場が主催するトレーニングセールが、5月22日と23日の2日間、札幌競馬場を舞台に行われた。昨年の1歳市場が好況だっただけに、2歳のトレーニングセールは上場頭数の確保に苦労することは当然、想定されていた。
ピーク時は260頭を超えていた(13年、15年)が、今年は116頭まで減少した。それでも、短距離G32勝の
エイティーンガールの半弟である
センターグランタス2021(牡、父
デクラレーションオブウォー)、21年
ユニコーンSを制した
スマッシャーの半弟にあたるスマッシュ2021(牡、父
キズナ)、初代
ペガサスワールドC優勝などG14勝の歴史的名馬である
アロゲート産駒の
イグナイト2021(牡)など、目を引く上場馬もいた。2ハロンの一番時計は、
センターグランタス2021の2ハロン22秒0-1ハロン10秒8。1ハロンの一番時計は、
パラダイスコーブ2021(牝、父
リアルスティール)の10秒6(2ハロンは22秒8)だった。
売却総額は6億640万円(金額はすべて税別)で前年より9300万円減だったが、売却率は78.4%と前年より6.8%上回った。上場頭数が18頭減った状況で6億円を超えた点には、関係者も安堵の様子を浮かべていた。最高額は、
ピサノプリヴェ2021(牡、父
リオンディーズ)の2200万円で、安原浩司氏が落札した。
下河辺牧場のトレーニングセール上場馬は近年、
ブリーズアップのようにフットワークを重視している。その中で、2ハロン23秒2-1ハロン11秒3をマークした動きの良さが、活発な競り合いとなった印象を受ける。また、岩手県馬主会は、補助馬購買をトレーニングセールに設定しており、今回のセールでは12頭を落札した。近親に
レッドアゲートや
レッドジェニアルなどがいる
アンフレシェ2021(牝、父
カリフォルニアクローム)の1600万円が、岩手県馬主会の中の最高額だった。
かつては
モーリス、
ジャガーメイル、
ヒシミラクルといったG1馬を輩出した。即戦力というより、3歳以降に活躍するケースも少なくない。近年での
バビットも、遅いデビューながら
ラジオNIKKEI賞と
セントライト記念を連勝し、
菊花賞に駒を進めている。この市場から、将来のスターが誕生することを願うばかりだ。(競馬ライター)
スポーツ報知