今年度からコースの砂が全面的に入れ替わった
門別競馬場。その新しい白砂がレースに及ぼす影響が、少しずつ明らかになってきた。
まずレース全体的な傾向として、昨年よりもコンマ5秒から1秒ほど決着タイムが速くなっている。昨年の良馬場にあったタフ過ぎる性格は影を潜め、芝志向の馬も無難に走れている。また、小柄な馬、あるいはピッチ走法の馬が、この砂へ高い適性を示す傾向も見えてきた。
ただ、馬によって得手不得手があるようで、2歳馬においてそれは顕著だ。路盤改修のため、第4回までの能力検査は昨年までの砂が入った内走路で行われたのだが、そこでの好タイムが、新砂でのレースに直結しないケースが多く見られるのだ。特に、体全体を大きく使って走る馬は、比較的パフォーマンスを落とす傾向がある。新砂に対して「滑るような感覚がある」という厩舎関係者の声は、これと不可分ではなかろう。
もちろん、これらはまだ推測の域を出ない。今後も更に精査していく必要がある。
前置きが長くなってしまったが、実際のところ、今年の
北海優駿は勢力図が明確で、議論の余地は大きくない。
北斗盃で圧倒的な力の差を見せつけた
ベルピットに、逆らう要素は無いに等しい。距離は未知でも、門別2000mは底力が問われるコース。その点で右に出るものはいない。過去の例からも、3冠制覇の鬼門はむしろ、ラストの
王冠賞である。ここは難なく突破してもらいたい。
予想の焦点は2着争いだ。小国厩舎の3頭が有力だが、なかでも個人的には、冬をオフに充て、この
北海優駿から逆算したローテを組んだ
プルタオルネに魅力を感じる。ただ、
北斗盃2着の後、A級古馬に胸を借り、叩き上げで鍛えてきた
ニシケンボブ、
JRAでの経験を糧に、大きな伸びしろが見込める
ズンガリプテルスも、力量的には五分である。
そこに割って入るとすれば、浦和から参戦の
キングオブザナイルだ。単騎逃げが見込めそうな展開で、
ベルピットの仕掛けのタイミング次第では、粘り込みが可能だろう。
(文:競馬ブック・板垣祐介)