6月開催の阪神芝1800mの新馬戦。実はここ3年はこのレースを使った馬が
ホープフルSを制している。2020年1着
ダノンザキッド(栗東・安田隆行厩舎)、2021年5着
キラーアビリティ(栗東・
斉藤崇史厩舎)、2022年5着
ドゥラエレーデ(栗東・
池添学厩舎)。2歳のうちに芝2000mのGIを勝つような体力がある馬は6月時点で新馬戦に出走できる順調さが売りなのかも知れない。
ちなみに昨年の6着は
デルマソトガケ(栗東・
音無秀孝厩舎)。ご存じの通り、
全日本2歳優駿でJpnIを制し、UAEダービーを勝って海外重賞も制覇。今年の出走メンバーからもGI勝ち馬が出てくるだろうか。
【6月25日(日) 阪神芝1800m】
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ショウナンハウル(牡、父
レイデオロ、
母リンフォルツァンド、栗東・
松下武士厩舎)
母系には2015年
ローズSを勝った
タッチングスピーチ(
父ディープインパクト)を筆頭に、活躍馬が多数。父
レイデオロは新種牡馬で、本馬は2021年セレクトセール当歳にて、1億8000万円(税抜)で落札されている。
4月5日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。この時はゲート試験合格を目指して調整し、合格すると一旦放牧へ。6月に栗東へ帰厩するとCWでの追い切りを順調に消化。6月4日にはCWで6F81.8秒と速い時計をいきなりマークして、性能の高さをアピールした。
6月14日のCWでは先週デビューした
スノーライトニングと併せて先行先着。道中では引っ掛かるようなところを見せており、これには「かなり行きたがっていましたね」と
松下武士調教師も苦笑い。ただ、それでいてラストは11.6秒だから、やはりポテンシャルの高い馬。鞍上は
池添謙一騎手が予定されている。
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メイプルギャング(牡、父
War Front、
母Crimson Maple、栗東・
中竹和也厩舎)
日本で活躍する父
War Frontの産駒は障害に転向して4戦、現在3連勝中の
フォッサマグナ(美浦・
黒岩陽一厩舎)がいる。外国産馬ではあるが、母系には
ユニコーンSなどを勝った
バーディバーディ(
父ブライアンズタイム)など日本でも活躍した馬が多数いる血統。
本馬は4月14日のゲート試験に合格した後、一旦放牧に出て、5月に栗東へ再入厩。坂路での追い切りをしっかりと積み重ねており、先週は4F53.8秒、2F25.6秒をマーク。ラストも12.5秒なので、終いしっかりした動きができそうなタイプだろう。鞍上は
横山武史騎手が予定されている。
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クイックバイオ(牝、父
ブリックスアンドモルタル、
母アニメイトバイオ、栗東・
須貝尚介厩舎)
母は現役時代に
ローズSで重賞制覇。
秋華賞では三冠牝馬
アパパネの2着というGI実績もある。半姉
ビッククインバイオ(父キングズベスト)は芝で4勝を挙げている。
本馬は4月6日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩し、4月14日にゲート試験を合格。その後軽い追い切りを消化して牧場へ戻り、5月下旬に栗東へ再入厩している。目立って速い時計は出していないものの、6月7日のCWでは新馬と併せて手応え優勢の動き。4月20日の時点で坂路4F54.3秒をマークしているように、やれば動く馬。あとは最終追い切りでどのような動きを見せてくれるか楽しみなところ。
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ダノンスウィッチ(牡、父
American Pharoah、
母スウィッチインタイム、栗東・
音無秀孝厩舎)
祖
母Switchが北米で6勝を挙げており、本馬は2021年セレクトセール当歳にて、1億5000万円(税抜)で落札されている。日本で活躍する父
American Pharoahの産駒には、フェブラリーSを連覇した
カフェファラオ(美浦・
堀宣行厩舎)などがいる。
5月19日にゲート試験を合格した後も栗東に在厩して調整。6月1日の坂路で4F52.1秒をマークした時点で動く印象はあったが、6月14日にレースでも騎乗予定の
C.ルメール騎手が跨った併せ馬では古馬2勝クラスの
ピノクルを追走して先着。4F51.4秒、2F24.6秒と全体も終いもしっかりした動き。血統的にはダートで走りそうな印象もあるが、とにかく能力の高い馬であることは間違いないだろう。
(取材・文:井内利彰)