1日からスタートした2回函館開催(6日間)で計3鞍組まれている芝1800メートル新馬戦。その中でも最たる注目を集めそうなのが今週末9日の戦い。その理由は「
アイドルホース」
ソダシの半弟で同じく白毛の
カルパ(父
モーリス、
母ブチコ・須貝)が鞍上・
武豊でデビューするからに他ならない。
思えば
ソダシもちょうど3年前の同じ開催(2回函館4日目)、同じ番組(芝1800メートル新馬戦)でデビュー勝ち。まったく同じタイミングでの初陣は陣営の粋な計らいと言うべきか。
ここまでの調整過程を振り返ると、栗東でしっかりと下地をつくった後、放牧を挟んで先月14日に函館入り。光り輝く白毛の馬体は姉同様で、多少コンパクトに映るくらいだ(馬体重は420キロ前後)。1週前追いとなった本馬場の併せ馬(4ハロン53.0-11.3秒)で
ファーストコンタクトを取った
武豊は「動きはまずまず。芝でしっかり追ったのは初めてだからね。口向きの硬いところなんかは母に似ていて(適)距離は1800メートルくらいかな。シュッとは切れないけど、しっかり走れていましたし、洋芝も合いそう」と感触を伝えた後は「
ソダシにもよく似ているね…色が。“尾も白い(面白い)”よ」と昭和ギャグをさく裂させるほどに上機嫌だった。
もちろん、厩舎の評価も上々で「
ソダシが勝ち上がっていることもあって函館を目標に。順調にきましたし、追い切りも(レースまでに)3本やれるのは予定通り。芝の動きやジョッキーの感触も良かったですからね。動きにまだ良化の余地はあるけど、前進気勢があって、力を出せる態勢ですよ」(北村助手)。
姉の背中を追って新たな白毛伝説が始まるか、楽しみは尽きない…ときれいに締めくくりたいところだが、一方で当レースには強力なラ
イバルがいることも付け加えねばなるまい。
ルメールとのコンビで初陣に臨む
レガレイラ(牝=父
スワーヴリチャード、母ロカ・木村)だ。こちらも半兄に現オープンの
ドゥラドーレスがいる魅力的な血統背景の持ち主。ウッドでの1週前追いでは前を行く他厩舎の併せ馬の内を鋭く伸びて5ハロン66.3-12.3秒を馬なりのままマークするなど、動きの良さは函館で調整中の2歳馬の中で際立っている。
「まだ前後の
バランスが取れず、左に張ったりする面がありますし、
テンションの高さも(追い切り)本数を重ねて強くなってきている。ただ、そんな課題がある中でも(5ハロン)66秒台で楽に動ける馬はなかなかいない。脚力、能力は高いですね」(太田助手)
現役最強馬
イクイノックスを筆頭に、多くの好素材を擁する木村厩舎の中にあっても十分な評価を得ている。もちろん、この
レガレイラ以外にも手ごわいラ
イバルが潜んでいるかも…。
白毛のアイドルの弟
カルパが勝ち名乗りを上げられるのかという視点よりも、先々のクラシックにもつながる重要な一戦として注目してもらいたい。
(立川敬太)
東京スポーツ