競馬新聞「馬サブロー」のPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西トレセンでつかんだ情報をお届けします。
15日に函館で行われたJRA最初の2歳重賞・
函館2歳Sは、ダート1000mの新馬戦を勝ち上がった
ゼルトザーム(牡、加用)が大外枠から外々を回るロスがありながらも、直線で力強く抜け出し無傷で重賞Vを決めた。
蓮見助手は「(結果的に)馬場も枠も展開も向いてくれた。全てがうまくいった感じ」と謙遜しつつも、浜中の好騎乗をたたえる。次走は未定。「きれいな芝でどんな走りができるか、距離が延びてどうかなど、まだまだ課題は残っている」と話しながらも、「これで(賞金的に)除外の心配がなく、きっちりとローテを組んでいけるからね」と前を見据えていた。
2着
ナナオ(牝、小栗)は新馬戦から中1週が2度続く強行軍でも結果を出す形に。「未勝利、重賞とセンスの良さを見せて、いい走りをしてくれました」と師も笑顔でうなずく。今後は放牧で成長を促す予定で、次走については「現時点では、もみじS(番組未定)、ファンタジーS(11月4日・京都、芝1400m)あたりを目標にしていければと考えている。千四の方がよりレースをしやすいと思うので」と展望を語った。
7着
チークタイム(牝、鈴木孝)は放牧へ。師は「道中は包まれる形になったが、直線でばらけてからは差を詰めていた。悲観する内容ではなかったですね。今後はもう少し距離を延ばしていこうと思います」と変わり身や成長を見込んでいる。
15日の中京未勝利(芝1200m)を勝った
アスクワンタイム(牡、梅田)は厩舎ゆかりの血統。師は「スタートはそれほど速くはないが、2戦目でスッといい位置につけられた。レース運びも上手で、いい勝ち方でしたね」と短期間での成長ぶりに目を細める。「兄
ファンタジスト、姉
ボンボヤージが重賞を勝っている舞台を目指していければ」と、放牧を挟んで
小倉2歳S(9月3日・小倉、芝1200m)を目指す予定。「まだまだ伸びしろが見込めるし楽しみ」と語った。
辻野厩舎の2歳世代でトップバッターとなる予定の
ロードリレーション(牡、父
キズナ、
母グラナダ)は、8月6日の新潟5R新馬(芝1600m)を目指して調整を進められている。ゲート試験合格後は放牧で成長を促し、13日に栗東へ再入厩。近親には
ラヴズオンリーユー、
リアルスティールといった活躍馬が並ぶ血統馬で、2歳上の半兄
ロードカテドラルは新馬戦2着〜未勝利戦V〜
ひいらぎ賞2着と早い時期から動けている。
師は「まだ子どもっぽい面はありますが、初めて(栗東のCW)コースで追った19日はしっかりと動けていた。これから徐々に負荷をかけていって、どんどん良くなってくると思います」と明るい表情。「距離はマイルくらいが良さそうですね」と適性を見込んでいた。
牧浦厩舎勢は福島での活躍が目を引いた。8日の未勝利戦(芝1800m)を制した
ヴァンヴィーヴ(牡)が新潟2歳S(8月27日・新潟、芝1600m)を目標に調整。同日同距離の新馬戦を勝ち上がった
エコロヴァルツ(牡)と、15日に同じく9Fで初陣Vの
エコロマーズ(牡)は同じオーナーでもあり、どちらか1頭が
札幌2歳S(9月2日・札幌、芝1800m)に向かう予定となっている。(馬サブロー栗東支局・塩手智彦)
提供:デイリースポーツ