全国各地で立て続けに梅雨明けが発表され、日本中がいよいよ夏の盛りである。先週から
JRA札幌開催がスタートしたが、梅雨の概念がない北海道では、これがひとつの夏の合図。ちょうどその開催が終わる9月初旬までの、短い夏の到来だ。
時を同じくして
門別競馬場では、2歳戦が熱気を帯びてきた。
エーデルワイス賞、
JBC2歳優駿、はたまた
ネクストスター門別という秋のビッグレースに向け、それぞれが目標を異にして歩み始める頃合いである。サッポロクラシックカップは、今年から新たに新設された
ネクストスター門別へ続く
ステップとして、装いを新たに行われることになった。
昨年までとはレースの諸条件が違うため、過去の傾向は参考にできない。かつ、オープンクラスの勝ち馬不在で、抜けた実績馬がいない大混戦である。手掛かりは少ないが、他のレースと同様、展開から予想することはできる。
逃げ候補は4、5頭にも及び、先行争い激化のハイペースは明らかだ。
栄冠賞がそうだったように、展開的には、末脚が確かな馬にアドバンテージが見込める。そこで浮かび上がるのは、
カイコウや
ジャズダンス、あるいは
レリッシュという馬たちだ。特に
カイコウは、初勝利に3戦要したものの、ここ2戦は1分14秒台で走れているように、タイムの裏付けもある。
もうひとつ、2歳戦ならではの予想手段として、経験値に頼るという手がある。キャリアの浅い馬たちにとって、一戦毎に得られるものは大きい。
栄冠賞組の3頭、
キタサンヒコボシ、
ダバイエスペランサ、
オスカーブレインには、重賞の流れ、そしてナイターを経験している強みがある。個人的には、
栄冠賞で1番枠特有の窮屈な競馬を強いられた、
キタサンヒコボシの巻き返しに期待している。
初戦圧勝の
リコーシャーマンや、重め残りの前走を叩いた
タントゥームなども、もちろん魅力的。予想の仕方は様々だが、いずれにせよ、印がいくつあっても足りない、そんなレースである。
(文:競馬ブック・板垣祐介)