JRAは29日、服部利之(はっとり・としゆき)師が28日に病気のため死去したと発表した。65歳。葬儀等は家族葬として執り行われる。
【悼む】服部師はなじみの薄い関東記者にも丁寧に接してくれた。思い出深いのは栗東に出張した12年
菊花賞。
ユウキソルジャーの取材に厩舎を訪れると部屋に招き入れてくれて熱弁をふるってくれた。
ゴールドシップ1強の様相。期待度を問うとまず人差し指を掲げ、それからゆっくりと中指、薬指。「そうだな、3(着)は外さんよ」と茶目っけたっぷりに笑った。
父は
キタノカチドキ、
ニホンピロウイナーなどの名馬を手がけた正利氏。「強気なコメントばかりするから“服部ラッパ”と言われていたんだ」と父のマネと言わんばかりにまた笑った。
ユウキソルジャーは後方から鋭く追い上げ、7番人気で3着。レース後、検量室前で師と顔を合わせると少し悔しそうな表情を見せながらも「ウソにはならんかったな」とほほ笑んだ。あの服部ラッパをもう聞けないと思うと残念でならない。合掌。
(
中央競馬担当・岡本 草太)
スポニチ