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アイビスSD・G3」(30日、新潟)
新潟の名物重賞を制したのは、21年覇者で9番人気に推された
オールアットワンス。騎乗予定だったホーの代打を務めた石川が、不利な内枠から見事な手綱さばきで相棒に1年ぶりの美酒をもたらした。2着は6番人気
トキメキ、3着は12番人気の
ロードベイリーフ。1番人気の
ファイアダンサーは18着に敗れた。
馬上で派手に
ガッツポーズを繰り出し、勝利の味をかみしめるように右手の拳を握り締めた。前日に落馬負傷したホーに代わり、
オールアットワンスの背中を任された石川。絶妙なリードで最上の結果を手にし、「急きょの乗り代わりだったけど、彼女のことは僕が一番分かっているので、自信を持って乗りました」と誇らしげに言葉を紡いだ。
さかのぼること2年前の当レースで初コンビを組み、Vをモノにしたが、連覇を狙った昨年は6着に敗退。思い切って内へ進路を取るも最後まで伸び切れず-。くしくも同枠となった今回は、いわば格好の雪辱機。好発からじわじわと外ラチ沿いに寄せて先行集団の後ろに付けると、ゴール直前で馬群の間からタイミング良く抜け出した。「内へ行くことは考えず、外ラチを取りたいと。いい切れ味を発揮してくれました」と会心のレースを振り返り、「何度かチャンスを頂いたけど、いい走りを見せることができず、悔しい思いをした中での勝利だったので」と胸の内を明かした。
今後について、中舘師は「ノーザン
ファーム天栄(福島県)へ放牧に出して、馬の状態を見ながら決めたいと思います」と話すにとどめたが、脚部不安による1年ぶりの実戦を乗り越え、単勝9番人気を覆す快勝劇にご満悦だ。「競馬はうまくいかないことが多いけど、たまにうまくいくとうれしいね」。得意の舞台で2つ目の重賞タイトルを手にした快速牝馬が、次はどんなステージでどんな走りを見せてくれるか、興味は尽きない。
提供:デイリースポーツ