「
エルムS・G3」(6日、札幌)
最後方から競馬を進めた6番人気の
セキフウが、大外から豪快に差し切って完勝。
武豊は
バトルラインで制した97年以来の当レース制覇を決めるとともに、通算3度目となる武幸師との兄弟タッグ重賞Vを成し遂げた。2着は4番人気の
ワールドタキオン、3着には10番人気の
ロッシュローブが入った。
北の大地で再び輝いた。
武豊が手綱を取った6番人気
セキフウは、1角通過が最後方14番手。それでもレジェンドには一切の焦りがなかった。「前が速くなりそうなメンバーだったので、マイペースで行こうと思っていました」。馬の気持ちに合わせて徐々にポジションを押し上げていくと、4角では先団を射程に。押し切りを図った
ワールドタキオンをゴール前でとらえ切り、21年11月の兵庫
ジュニアGP以来、実に1年9カ月半ぶりの戴冠を成し遂げた。
この勝利で鞍上は5月の葵S(
モズメイメイ)以来となる美酒。武幸師との兄弟タッグでは21年のファンタジーS(
ウォーターナビレラ)、23年の
シンザン記念(
ライトクオンタム)に続く3度目のタイトルゲットだ。ユタカは「久々に重賞を勝ててすごくうれしい。この感じで来週も頑張りたいです」と白い歯を見せた。
この中間は意識的に調教パターンを変更。それが奏功した形だ。「函館で張り切って仕上げたら当日に硬くなったので、今回はあまり追い切りをやらなかった。それが良かったと思う」と武幸師。以前まで見せていた、途中でやめる面も出さなかった。「きょうは最後まで伸びていた。(藤岡)佑介、クリストフ(ルメール)が函館で乗ってきたことも結果に結びついたと思います」。皆でバトンをつないで復活Vへ導いた。
今後は日高町の坂東牧場に放牧へ出る予定。指揮官いわく次走は未定だが、22年3着だったコリアC・G3(9月10日・韓国ソウル)の招待があれば、「馬の状態を見ながら決めたい」とリベンジに意欲をのぞかせた。「また(上でも)やれると思う」とレジェンドに太鼓判を押された4歳馬が、さらなる高みを目指して駆け抜ける。
提供:デイリースポーツ