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オジュウチョウサン第二の馬生も“二刀流” 現役種牡馬&養老牧場の運営資金も稼いでます

スポーツ報知
  • 2023年08月30日(水) 07時00分
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 夏の自由研究「功労馬」最終回は、昨年引退した障害の絶対王者、オジュウチョウサンの近況をレポートする。

 静かな放牧地で、穏やかにたたずんでいた。オジュウチョウサンは、22年の現役引退後、今年1月末から北海道日高町にある「Yogibo ヴェルサイユリゾートファーム」で“第二の馬生”を過ごしている。そこには、ハードル界の絶対王者に君臨していた鬼気迫る姿はない。現役時代とは違う優しいまなざしを浮かべながらマイペースに時を刻んでいる。

 J・G1は歴代最多9勝、JRA賞最優秀障害馬に5度輝いた。18年の有馬記念武豊騎手とコンビで出走(9着)するなど、記録にも記憶に残る“二刀流”の名馬だった。気の強さも知られていたが、牧場で初めての夏を見守る白井健一GM(40)は「最初は構えていましたが、おとなしいし、手を焼いたことはないですね。頭がいい馬で、今の状況を分かっているんだと思います」と今を伝えてくれた。

 変わらないのは人気。CMで人気になったアドマイヤジャパンタニノギムレットに、オジュウが加わり、ファームには連日ファンが押し寄せている。今年5月の連休は何と一日約500人。今夏も札幌開催中は平日でも多い時で約250人が訪れている。

 放牧地で1時間じっとしている時もあれば、寄ってきてポーズを取ることも。まさにアイドルの一挙手一投足に、ファンはさらに魅了され、ファームの運営につながるグッズの売れ行きも好調だ。入荷すればすぐに在庫がなくなる状況に、白井GMは「人気はすごいですね。まだ引退したばかりですし、知名度がすごい」と目を丸くする。

 言わば、今も“二刀流”なのだ。オジュウは現役の種牡馬。その血を後世に残す仕事がある。一方で同ファームは養老牧場。運営資金を確保するため、SNSで馬たちの日常を発信することも重要で、その役割も今は担っている。「将来は馬も人もここにくれば癒やされるような、観光牧場になればいいですね。ウチがロールモデルを示していければ」(同GM)。絶対王者はその存在感で、セカンドキャリアの新たな道筋をつくっている。(松末 守司)

 ◆オジュウチョウサン 父ステイゴールド母シャドウシルエット(父シンボリクリスエス)。2011年4月3日、北海道平取町・坂東牧場生まれの牡12歳。13年10月にデビュー。3戦目(14着)で障害転向後、美浦・和田正一郎厩舎に転厩。J・G1は中山グランドジャンプ6勝など9勝。通算40戦20勝(うち障害32戦18勝)。総獲得賞金9億4137万7000円(うち障害9億1545万7000円)。

 ◆Yogibo ヴェルサイユリゾートファーム 18年に生産牧場のヴェルサイユファームの分場として北海道日高町に開場。引退馬、繁殖牝馬などを繋養(けいよう)しており、現在はローズキングダムタニノギムレットなどのG1馬もいる。見学はもちろん、場内の施設で宿泊も可能。21年にビーズソファなどを販売する「Yogibo(ヨギボー)」とネーミングライツ契約した。

スポーツ報知

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