いよいよ、今週から秋競馬が開幕。関西圏は阪神競馬場での開催となるが、これが2019年以来。当時の阪神開幕週のメイクデビューでどんな馬が勝ったのかを調べてみると、やはり、その後に重賞で活躍するような馬たちが名を連ねていた。
2019年4回阪神の開幕週、マイルを勝った
クラヴァシュドールは新馬勝ちの後、
サウジアラビアRCで2着して、阪神JFでは
レシステンシアの3着。
桜花賞では4着というG1実績を残している。
同じく開幕週の芝2000mを勝った
アルジャンナは東京スポーツ杯2歳S、
毎日杯で2着して、
日本ダービーに出走(18着)。
ここからクラシックへ駒を進める馬も多いだけに、今年はどんな馬たちが勝ち上がっていくのか注目だ。
【9月9日(土) 阪神ダート1800m】
◆
マーベリックシチー(
父パイロ、
母ラフィネシチー、栗東・
岡田稲男厩舎)
以前に当欄で紹介したが、その時予定していた新潟ダート1800mは除外に。そこからスライドする形になるが、その後も順調に追い切りを消化している。ちなみに血統的な部分を解説しておくと、母系には2013年
マーチSを勝った
グランドシチー(
父キングカメハメハ)がいる。そして、
岡田稲男厩舎で管理されている
メイショウハリオと同じ
パイロ産駒となる。
8月30日にCWで新馬との併せ馬を行い、3F36.7秒をマークしているが、これはこの日、6Fから追い切った2歳新馬の中では抜けて速い、ベストとなる時計。古馬を含めても、この日の3F一番時計は36.2秒だったので、朝一番の時計が出やすい時間帯だったとはいえ、かなり優秀。
デビューが延びる形にはなったが、むしろ楽しみが増す状態になっているような気がする。
【9月9日(土) 阪神芝1400m】
◆
ミクロフィラム(父
リアルスティール、
母ティッカーコード、栗東・
斉藤崇史厩舎)
半姉に新馬、
クローバー賞を連勝した
オータムレッド(父
ワールドエース)がいて、母系には芝で3勝を挙げた
ベストアプローチ(
父New Approach)がいる血統。
本馬は7月28日にゲート試験を合格。その後はノーザン
ファームしがらきへリフレッシュ放牧に出す予定もあったが、在厩調整を選択し、その後も順調に追い切りを消化している。
「先週の坂路ではゴール直前で併せた相手を交わす予定でしたが、反応が良すぎて抜け出すのが速くなってしまいました。その分、ラストが12.8秒要してしまいましたが(4Fは52.0秒)、まだ余裕がありましたし、いい動きだったと思います」と
斉藤崇史調教師。
一応、このレースか9月10日(日)の阪神芝1600m(牝)への出走を予定。鞍上はどちらのレースでも
団野大成騎手が予定されている。
【9月10日(日) 阪神芝1600m(牝)】
◆
ビーグラッド(父
エピファネイア、
母シャブリ、栗東・
岡田稲男厩舎)
同厩舎で管理されている、3歳の半兄
アンテロース(父
モーリス)は札幌芝1800mの未勝利を勝ち上がっている。母系にはドバイデューティフリーなど、国内外のG1で3勝を挙げた
ジャスタウェイ(
父ハーツクライ)がいる血統。
本馬は6月9日にゲート試験を合格し、その後はチャンピオンヒルズへリフレッシュ放牧。牧場で調整後、8月9日に栗東へ再入厩して、坂路での追い切りを消化していたが、本格的に時計を出した23日に2F24.8秒をマーク。
先週のCWでは6F83.1秒をマークし、前記
マーベリックシチーに先行していたとはいえ先着の動き。追われるごとに動きが良くなっている印象を受ける。鞍上は
武豊騎手が予定されている。
【9月10日(日) 阪神芝1800m】
◆
ブラーヴイストワル(父
ロードカナロア、
母ヴィニー、栗東・
池江泰寿厩舎)
祖
母コケレール(
父Zamindar)はフランスのG1、サンタラリ賞を勝っており、
母ヴィニーは2015年のセレクトセール1歳にて、1億3500万円(税抜き)で落札されている。
本馬は4月に栗東へ入厩して、ゲート試験合格後にリフレッシュ放牧。7月下旬に栗東へ再入厩して、順調に追い切りを消化。先週は古馬2勝C、新馬との3頭併せを一番後ろから追いかけて同入。6F83.0秒、ラスト1Fは11.5秒としっかり伸びている。
坂路でも2F24.5秒をマークして古馬OPの
スマートクラージュに追走同入の動きを見せており、終いしっかりした動きが目立っている。なお、鞍上は
武豊騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)