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新潟記念・G3」(3日、新潟)
唯一の3歳馬が強豪古馬を蹴散らした。勝ったのは2番人気の
ノッキングポイント。好位追走から直線鋭く抜け出して重賞初制覇を飾った。2着は7番人気の8歳馬
ユーキャンスマイル、3着には10番人気
インプレスが入り、ルメール騎乗の1番人気
サリエラは見せ場なく7着に終わった。なお、サマー2000シリーズは優勝条件を満たす馬がいないため、22年に続き3度目の優勝馬なしに終わった。
残り1F。満を持して馬群から抜け出したのは、唯一の3歳馬
ノッキングポイント。内から、外から13頭の古馬が襲いかかるも、寄せ付けない。危なげなしの1馬身差Vで待望の重賞タイトルを手に入れ、勝負の秋へ好スタートを切った。
見事にエスコートしたのは、先週の新潟2歳S(
アスコリピチェーノ)に続き、2週連続重賞Vとなった北村宏だ。前走のダービー(5着)に続く連続騎乗。起用した木村師は、このコンビに対して思うところがあった。
母チェッキーノ、そして祖母が
ハッピーパス。木村師が心の師とあおぐ
藤沢和雄元調教師の手掛けた牝系。「何より、この血統。藤沢先生のね。だから、(先生の弟子である)北村ジョッキーで勝てたのがうれしい」。目が潤んでいるように見えたのは、汗のせいではないはずだ。
そんな指揮官の思いに、ジョッキーは完璧な手綱さばきで応えた。抜群のスタートを決めるとスッと控え、好位のインでじっと我慢。うまく流れに乗った分、ラストではじけた。「気持ちにピリッとしたところがある馬。とにかく落ち着いて進めようと。前向きさを出してくれて、うれしかった」。自らについてはやっぱり控えめ。馬の能力をたたえた。
3歳馬の当レースVは18年
ブラストワンピース以来4頭目。
グランプリホース並みの出世に期待も集まるだろう。木村師は「個人的にはコース形態含め、条件は問わないと思っています」と言いつつ、3冠ラストの
菊花賞については「それはちょっとあれかな」とも話した。恐らく、秋に進むは中距離路線。夏の越後でつけた自信を胸に、再び古馬撃破へと向かう。
提供:デイリースポーツ