日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の寺下厚司(39)が担当する。先週、
JRA年間100勝を達成した
クリストフ・ルメール(44)に共同設立したア
パレルブランド「CL by C・ルメール」や秋競馬、
凱旋門賞について意気込みを聞いた。
ルメールが共同設立したア
パレルブランド「CL by C・ルメール」の
ポップアップストアが松坂屋名古屋店で開催され、最終日だった5日は
サイン会が行われた。名古屋での
ポップアップストアは初めて。530組の応募から選ばれた20組に
サインや写真撮影を行い、ファンとの交流を楽しんだ。ルメールは「
JRAの競馬場もある場所でファンも多い。ぜひ、やりたかった」と満足げ。「ファンの方が競馬場に着ていける、おしゃれな服をつくりたかった。人と違う格好で気分を上げてほしいし、そのお手伝いできれば。競馬場で着てもらっているのはとてもうれしいですね」
昨年2月に立ち上げられた
ジャパンメードア
パレルブランド。「いろんな方の声を聞きながら、ここまで理想的に来られている。この先もファンの方と一緒に続けていきたい」。今年は
グラフィックデザイナー尾花龍一氏やシルクレーシングとのコラボレーションも実現。「
アーモンドアイはみんなのアイドル。そのパートナーでもあったので自然な形でコラボレーションさせてもらえた。
アーモンドアイにささげたいという思いがずっとあったし、こういう形でできて良かった」
先週日曜の新潟1Rで
JRA年間100勝を達成。「夏の間に100勝できるのはいいリズムだと思う。リーディングを取り返したい」と2年ぶりの頂点へ意欲を燃やす。今週から秋競馬がスタート。「秋はG1も多いし毎週、大きいレースもあるから身が引き締まる。気合を入れ直して乗らないとね。
イクイノックスもいるし、いい馬も出てくるので楽しみ」と意気込む。
さらに来月には仏G1
凱旋門賞(10月1日、パリロンシャン)も行われる。今年は
スルーセブンシーズ(牝5=尾関)とのコンビで参戦予定。「行きますよ。(パートナーとは3戦3勝で)乗るごとに強くなっている。力はあると思っていたし
宝塚記念の2着も驚かなかったよ」。前走の
宝塚記念は自身が騎乗していた“世界No・1ホース”
イクイノックスに首差まで迫った。「まだG1を勝っていないけどストレスなく準備もできるんじゃないかな。
凱旋門賞でもチャンスはあるかも」と
ジャッジ。
フランス出身の名手にとっても
凱旋門賞制覇は悲願。過去12回挑戦するも2着が最高だった。「一番勝ちたいレース、フランス人だからね。
プライドで2着(06年)だった時は悔しかった。日本の馬もみんな目指すところだし、そのレースを勝つのが大きな目標です」。さらに自身のブランドでの夢も語る。「いつかは
凱旋門賞の期間にフランスで
ポップアップストアとか何かできれば。そういう目標はありますよ。フランス人として向こうでもやってみたいね」。数々の記録や記憶に残るレースを見せてくれたルメールの挑戦はまだまだ続いていきそうだ。
◇寺下 厚司(てらした・あつし)1983年(昭58)10月22日生まれ、京都市出身の39歳。大阪大学工学部卒業、東京大学大学院中退。09年秋から競馬担当(東京→大阪)。
凱旋門賞は12年
オルフェーヴル、
アヴェンティーノ、17年
サトノダイヤモンド、
サトノノブレスが挑戦した2回、現地で取材。
スポニチ