◆第41回
ローズS・G2(9月17日、阪神・芝1800メートル=良)
第41回
ローズS・G2は17日、阪神競馬場の芝1800メートルで行われ、7番人気の伏兵
マスクトディーヴァ(岩田望)が従来のタイムを0秒8も更新する驚異的な
JRAレコードで重賞初挑戦Vを成し遂げた。1番人気
ブレイディヴェーグは最速の上がりで追い込んだが、1馬身半及ばず2着。3着
マラキナイアまでが
秋華賞(10月15日、京都)の優先出走権を獲得した。
ド派手なパフォーマンスで、
マスクトディーヴァが新星誕生をアピールした。前半1000メートル通過が57秒3の超ハイペース。場内がどよめくなか、岩田望は「勝った時のイメージでリズム良く運びました」と落ち着いて相棒をリードした。直線に向いて追い出されると一気にギアを上げ、残り250メートルで早くも先頭。「(動くのが)早いかと思いましたが、思った以上に反応が良かった。最後は遊ぶ場面もあって、まだまだ余力が残っているんじゃないかと思います」と、余裕を持ってゴールに飛び込んだ。
計時された勝ち時計は1分43秒0。21年のダービー馬
シャフリヤールが同年3月の
毎日杯でマークしたコースレコードを0秒9、21年夏の小倉開催初日に
エスコーラが記録した日本レコードも0秒8上回った。この日の阪神は3勝クラスの10Rもマイルで1分31秒台。速い時計が出ており、岩田望も「レコードには驚きましたが、重賞クラスならこれぐらいは出ますね」と納得の表情だった。
過去2勝は重馬場の新馬戦と稍重での1勝クラス。
忘れな草賞で7着に敗れた良馬場で初めて結果を出し、辻野調教師は「良馬場の方がいいと思っていましたが、想像以上でしたね」と喜ぶ。レース史上最少タイのキャリア4戦目V。祖
母ビハインドザマスクが4連勝で重賞初V(00年
セントウルS)を決めた9月の阪神で、受け継いだスピードが開花した。
秋華賞は京都の内回り。指揮官は「コーナリングが課題だと思っていましたが、あれだけスッと動けるなら」と手応えを強調し、岩田望も「まだまだ良くなる余地があります。一線級とどこまでやれるか楽しみ」と胸を躍らせる。8月末からWASJ、小倉2歳Sを制した絶好調の鞍上と、開業3年目の新進気鋭コンビが、胸を張って打倒
リバティアイランドに挑む。(玉木 宏征)
◆
マスクトディーヴァ 父
ルーラーシップ、
母マスクオフ(
父ディープインパクト)。栗東・
辻野泰之厩舎所属の牝3歳。北海道千歳市・社台
ファームの生産。通算4戦3勝。総獲得賞金は6741万8000円。重賞初勝利。馬主は(有)社台レースホース。
スポーツ報知