2018年9月23日の阪神芝2000mで行われた新馬戦。ここで2着だったのが、
マスターフェンサー(父
ジャスタウェイ)。出走除外となった中1週の未勝利戦を挟み、もう一度、芝のレースを使って4着になるが、ダートに転じて連勝。その後はご存じの通り、アメリカのクラシック三冠レースに出走し、古馬になってからもダート交流重賞で4勝を挙げる活躍を見せた。
当時はダート1800mの新馬戦がなかったが、今年はその番組ができた。アメリカはもちろんだが、日本でも来春から3歳ダート路線が充実しており、この番組からそこへ駒を進めていく馬が誕生する、そんな青写真も描いてみたい。
【9月23日(土) 阪神芝1600m】
◆
ロードフォアエース(牡、父
ロードカナロア、
母イトワズマジック、栗東・
友道康夫厩舎)
おばに
サンチャリオットS(G1)などを勝った
Roly Poly(父
War Front)をはじめとして、海外G1で複数勝利を挙げている良血。本馬の半姉に1戦未勝利で終わった
テイクアスタッブ(父
Justify)が同厩舎で管理されていたが「姉とは全く違う馬ですよ」と
友道康夫調教師。
5月にゲート試験を合格し、8月に栗東へ再入厩。最初は坂路中心に追い切られ、9月に入ってからCWでの追い切りが中心。9月14日のCWではレースで騎乗予定の
川田将雅騎手が跨り、2歳未勝利を追走して、少し遅れた態勢でフィニッシュ。ただ、相手は新馬戦で1番人気(3着)に支持された
エヴァンスウィート。時計的に6F83.6秒、ラストが11.7秒ならしっかり走れたといってよいだろう。
【9月24日(日) 阪神ダート1800m】
◆
マルチャレアル(牡、父
リアルインパクト、
母ヴィートマルシェ、栗東・
斉藤崇史厩舎)
半姉には2021年BCディスタフを優勝した
マルシュロレーヌ(父
オルフェーヴル)、半兄には同厩舎で管理され、今年の
佐賀記念などダート交流重賞で2勝を挙げている
バーデンヴァイラー(父
ドゥラメンテ)がいる。
本馬は8月26日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。すぐにゲート試験を合格し、その後も在厩調整。9月13日の坂路では古馬OPの
ヤマニンサンパと併せて先着、4F52.6秒、2F24.7秒と速い時計をマークしている。「
バーデンヴァイラーは芝でも走らせてみたいフットワークですが、こちらはいかにもダートが向く
パワーのある走り。追い切りでも動けていますね」と
斉藤崇史調教師。鞍上は
坂井瑠星騎手が予定されている。
◆
ブルーメンコルソ(牡、
父マジェスティックウォリアー、
母フロリアード、栗東・
高柳大輔厩舎)
母系には今年の
六甲Sを勝ったサヴァ(父
アイルハヴアナザー)がいる血統で、本馬は2022年北海道セレクションセールにて、3100万円(税抜)で落札されている。
7月にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩し、ゲート試験合格後にリフレッシュ放牧。8月25日に再入厩し、デビューへ向けての調整を開始。9月13日にレースでも騎乗予定の藤岡康太騎手が跨り、CWでの3頭併せ。3秒近く離れた先頭には追い付かなかったが、真ん中にいた新馬はきっちりと捕まえて先着して、6F79.0秒をマーク。「ゆったりしたフットワークなので、長めの距離は合いますね」と
高柳大輔調教師。
【9月24日(日) 阪神芝2000m】
◆
サトノシュトラーセ(牡、父
ジャスタウェイ、
母ワンダーオブリップス、栗東・
友道康夫厩舎)
母は独国産。母系には独セントレジャーなどを勝った
Wurftaube(
父Acatenango)などがいる血統。本馬は2021年セレクトセール当歳にて、4700万円(税抜)で落札されている。
本馬は6月にゲート試験を合格して放牧。8月に栗東へ戻ってきて、しっかりと調整を進めている。9月14日のCWでは今年の
目黒記念を勝った
ヒートオンビートとの3頭併せを一番後ろから追いかけて最先着。少し頭の高い走りは気になったが、全体時計が6F83.6秒をマークして、ラストが11.3秒の伸びなら合格点。鞍上はこの追い切りにも跨った
川田将雅騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)