「
スプリンターズS・G1」(10月1日、中山)
4歳牝馬
キミワクイーンが秋の最強快速馬決定戦にチャレンジする。G1挑戦は21年12月の阪神JF(10着)以来2度目。6月の
函館スプリントSでは鮮やかな脚質転換に成功し、初の重賞タイトルを獲得した。充実一途の勢いと持ち前のカミソリ脚発揮で、混戦G1に果敢に挑む。
中山で行われる
スプリンターズSだが、関東馬の登録は19頭中5頭。そこから
トウシンマカオが熱発のため回避に。少々寂しくなった点は否めないものの、残り4頭は個性派ぞろい。特に注目したいのが、脚質転換に成功した
キミワクイーンだ。
2走前の
函館スプリントSの勝利が印象的だ。それまでは前々で競馬をすることが多かったが、一転してじっくりと脚をため、後方12番手に待機。直線で
ゴーサインを受けると、上がり3Fメンバー最速の34秒4と強烈な決定力で差し切ってみせた。
奥村武師は「とてもいい競馬だったね。これまでは前に行って取りこぼす競馬もあったが、後ろからきっちり差し切った。間違いなく少しずつ力をつけている」と目を細める。続くキーンランドCは7着に敗れたが、「枠順と馬場状態が合わなかったようだ。ジョッキー(横山武)も悲観することないと言ってくれているからね」とショックの色はない。
あとは相手関係になるが、前走で同じ4歳牝馬の
ナムラクレアに完敗。指揮官は「展開の助けがほしいところ」と、やや慎重な言い回しだが、「この中間、カイバ食いがいいし、とにかく順調に仕上がっている。結果を出せる状態なので楽しみだね」と出来には自信を示す。
ハナを切ってこそという韋駄天(いだてん)が、そろった大一番。展開がもつれればもつれるほど、この馬のカミソリ脚が何とも不気味になる。
提供:デイリースポーツ