「ダービー
グランプリ」(1日・盛岡)
まさに薄氷を踏む秋初戦。それでも地力に勝る
ミックファイアが単勝1・1倍の断然人気に応え、レース史上2番目の好タイムで無傷の7連勝。ラスト・ダービー
グランプリのフィナーレを飾った。2着には3番人気の
マンダリンヒーロー。3着には2番人気の
ベルピットが入った。
歓声から悲鳴がもれた直線入り口。逃げた
ミックファイアに、ぴたりとマークした
マンダリンヒーローが並びかける。内に御神本、外に吉原寛。名手同士の火の出るようなデッドヒート。ラスト200メートル過ぎで、これを
ミックが振り切ると、最後は1馬身半差をつけて、力を見せつけた。
勝利に導いた御神本は「危なかった。はじけてくれなかった」と苦笑いで引き上げてきた。一方で
マンダリン陣営は「最高の形。あれでも勝てないのか」と天を仰いだ藤田輝師に、「勝ちに行く競馬。首ぐらい出たんだけど…悔しい」と吉原寛はガックリと肩を落とした。
前走の
ジャパンダートダービーでJRA勢を粉砕。無傷の三冠馬として勇躍、乗り込んできた盛岡。途中の降雨で水の浮く馬場だったが、鞍上は「正直、前走に比べて状態は7割5分。それでも負けられない一戦で、すごいプレッシャーだったけど勝ち切ってくれてホッとした」と息を吐いた。
「心臓に悪かったよ」とは渡辺和師。今後は馬の状態次第でJBCクラシック(11月3日・大井)へ。主戦と指揮官は「古馬の壁は厚い。もっともっと
パワーアップしていかないと」と口をそろえる。若き無敗のエースにとって、これからが本当の勝負の始まりだ。
提供:デイリースポーツ