日本競馬界の悲願は今年もかなわなかった。欧州最高峰のG1「第102回
凱旋門賞」が1日(日本時間同日深夜)、フランスの首都パリ近郊のパリロンシャン競馬場で行われ、日本馬唯一の参戦となった
スルーセブンシーズ(牝5=尾関、父
ドリームジャーニー)は4着に敗退。また日本産
ハーツクライ産駒コンティニュアスは5着だった。地元フランス馬
エースインパクトが6連勝で
凱旋門賞を制覇した。
1969年に初めて日本馬
スピードシンボリが挑戦してから54年、延べ34頭目の挑戦も実らなかった。例年のような大雨が降らず、日本勢を苦しめてきた道悪にはならなかった今年の
凱旋門賞。G1未勝利ながら適性を見込まれ、仏遠征を敢行した
スルーセブンシーズは国内戦同様に馬群の後方で脚をためる戦法。ルメールは「返し馬から一生懸命走っていたので冷静に走るには後方の位置取りがちょうど良かった」と振り返る。抜群の手応えのまま勝負どころを迎え、直線では馬群の間を割って鋭伸。前走・
宝塚記念で世界ランク(ロンジンワールドベストレースホースランキング)1位の
イクイノックスに首差まで迫った末脚でも上位3頭には及ばなかったが、鞍上は「ハイレベルな戦いで凄くいいパフォーマンスだった。絶対、日本でG1を勝てる馬」と最大限の賛辞で相棒をねぎらった。
尾関師は13年
凱旋門賞に挑戦(4着)した
キズナの帯同馬
ステラウインド(フォワ賞5着、ドラール賞7着)以来10年ぶりの仏遠征での愛馬の激走に感涙。「たくさんの馬の縁、人の縁でこの場に立つことができた。勝ちたいと思って皆で頑張ってきたので悔しさもあるが、
スルーセブンシーズを褒めてあげたい」と言葉を振り絞った。
今年で102回目の歴史を刻んだ
凱旋門賞は、いまだに欧州調教馬以外は勝てていない。それでも、8年連続で出走馬を送り込んできた日本競馬界。「第二の故郷である日本の馬で勝ちたい」と語るルメールは「また
トライしなければならない」と前を向いた。誇り高く狭き門をこじ開けるため、夢への挑戦は続く。
スポニチ