いよいよ来年のクラシックに直結する2歳重賞が続々スタート。秋東京の開幕初日メイン「第9回
サウジアラビアRC」もその一つだ。
ダノンプレミアム、
グランアレグリア、
サリオス、
ドルチェモアと多くのG1馬を生んでいる出世レース。今年の注目は東京マイルのハイレベルな新馬戦を快勝した
ボンドガール(牝=手塚)だ。瞬発力が売りの
ダイワメジャー産駒が、華麗に初タイトルをかっさらう。
数々の名馬を見てきた手塚師をも虜(とりこ)にする走りだった。6月、東京マイルの新馬戦。
ダノンベルーガの半妹として注目を集めていた
ボンドガールは、比類なき末脚をいかんなく発揮。この舞台の新馬戦では
モリアーナ、
カレンブーケドールなどと並ぶ、史上最速タイとなる上がり3F33秒0で悠々差し切った。
騎乗したレーンは「新馬とは思えない。プロフェッショナル。素晴らしい瞬発力です。ポテンシャルのある馬」と能力にほれ込んだ。2~6着は既に未勝利戦を突破。中でも、3着
コラソンビートは
ダリア賞を制し、6着
キャットファイトはアスター賞をレコード勝ち。新馬戦のレベルの高さは明らかだ。
夏の放牧を経て馬体が充実。その成長が調教にも表れている。新コンビの川田を背にした1週前追い。Wコースで僚馬
ヴァーンフリート(4歳3勝クラス)を4馬身追走する形でスタートすると、直線は馬なりのままグングン加速。6F83秒5~1F11秒4をマークし手応え楽に併入した。
手塚師は「体が大きくなったね。(川田)ジョッキーは
ダイワメジャー産駒らしいと言っていました。追い切りのペースだと前進気勢が旺盛な分、抑えるのが少し大変だけど動き自体は良かった」と
ジャッジ。続けて「状態はかなりいいですよ。先週にも競馬を使えたくらい。上積みもあります」とほおを緩めた。
同じく6月、東京マイルの新馬戦を9馬身差で圧勝した
シュトラウスも出走を予定。手塚師は「瞬発力勝負なら勝てるはず。なんとか賞金を加算して、秋に向かいたいです」と強敵撃破に自信を示す。魅惑的な瞬発力を持つ
ダイワメジャー産駒。重賞即Vで世代主役の座を射止める。
○…
ボンドガールの
父ダイワメジャーが今熱い。同産駒の現2歳は既に5頭(計6勝)が勝ち上がり、
アスコリピチェーノ(牝=黒岩)が無傷2連勝で
新潟2歳Sで重賞初V、同産駒区切りの
JRA重賞50勝目となった。9月30日にはパリロンシャン3歳限定G2ショードネイ賞(芝3000メートル)でアイルランド産のダブルメジャー(セン=C・フェルラン)が父の守備範囲を超す!?長距離で仰天Vの報が届いたばかり。「母の父」としても
キミワクイーン(牝4=
奥村武)が6月函館SS、
モリアーナ(牝3=武藤)が9月
紫苑Sで重賞初Vを飾り、今年の道営3冠馬
ベルピット(牡3=角川)も活躍中だ。
キングカメハメハ、
ハーツクライと同期の04年クラシック世代で、種牡馬としても大ベテラン。父の勢いに乗って、
ボンドガールが同期2頭目の重賞ウイナーを目指す。
スポニチ