「
凱旋門賞・仏G1」(1日、パリロンシャン)
日本が誇る数々の名馬が挑み、そして高い壁にはね返された世界最高峰の一戦に今年、単騎乗り込んだ
スルーセブンシーズ(牝5歳、美浦・尾関)は4着と大善戦した。勝ったのは地元の
エースインパクト。13年
トレヴ以来、10年ぶりの無敗戴冠となった。2着は
ウエストオーバー、3着は
オネストだった。
◇ ◇
出走しては惨敗し、「重い馬場が合わなかった」と同じ敗戦の弁を繰り返す-。近年はそんな光景ばかりを目にしてきたが、今回は久々に光明の見える結果となった。
陣営が参戦に踏み切った理由として掲げた、以下の条件が見事にハマったことが大きい。
(1)小柄な牝馬
(2)長く使える末脚
(3)
ステイゴールドの血
いずれも深い芝を走る上でプラスの要素。特に(1)は脚が馬場に沈みにくいという点で画期的発見だった。加えて、今年は比較的軽いBON SOUPLE(稍重馬場)。世界的な異常気象の影響で、フランスも例年より気温が高く、馬場が乾きやすかったことも挙げられるだろう。5着に日本生まれの
ハーツクライ産駒コンティニュアスが入ったことからも、日本馬にとって間違いなく過去最高のコンディションだった。
無論、勝った
エースインパクトは別格。早め先頭から粘った
ウエストオーバー、そして勝ち馬を追った
オネストとも力差はあっただろう。ただ、条件がかみ合えばこれだけやれることの証左にはなった。方向性が見えた、となれば、あとはメンバーと好天に恵まれるだけ。年々遠ざかっていた欧州最高峰のタイトルが、また少し近づいたように思えた。
提供:デイリースポーツ