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凱旋門賞でスルーセブンシーズ大善戦 “日本馬に合わない”は安易

スポニチ
  • 2023年10月06日(金) 05時15分
 【競馬人生劇場・平松さとし】先週はフランスで凱旋門賞(G1)が行われた。皆さんご存じのように日本のスルーセブンシーズ(牝5=美浦・尾関知人厩舎)は4着に健闘。勝利した地元のダービー馬エースインパクトともども、上がり3Fで33秒台の脚を使ったため、驚く人を、結構見かけた。

 しかし、実はこれは珍しいことではない。舞台となるパリロンシャン競馬場の後半部分は、いわゆる“フォルスストレート”と呼ばれる下り坂の250メートルの直線と、緩やかなカーブを挟んだ後の533メートル、ほぼ平たんの直線。馬場さえ良ければ速いラップが刻まれる条件はそろっていて、事実、同コースの1400メートルで争われるフォレ賞(G1)のレコードは15年にメイクビリーヴがマークした1分17秒05。日本より速いのだ。

 武豊騎手は「地盤が軟らかいので、雨が降ると渋くなるけど、意外と芝丈も短いし、通常は皆が思っているほど重くありません」。

 事実、同じ競馬場のムーランドロンシャン賞(G1)ではローエングリンが2着(03年)、(直線のため)コースこそ違えど、やはり同じ競馬場の同じ芝で争われるアベイドロンシャン賞(G1)ではアグネスワールドが優勝(99年)。

 では、凱旋門賞で苦戦する理由が重い芝ではないとすると、何なのか?個人的には2400メートル戦における欧州勢の強さだと思っている。昨年、一昨年と、凱旋門賞で惨敗した日本馬に「馬場が合わない」という評論が向けられたが、同じ日、同じ馬場で行われたフォレ賞でエントシャイデンが2年連続3着。“日本馬に合わない”で片付けるのは、あまりに安易だと思えた。

 そういう見解からすると、スルーセブンシーズは大善戦であり、今後がますます楽しみになったと言える。

 ちなみに2400メートルでなければ、同じフランスのジャックルマロワ賞(G1、1600メートル)をタイキシャトルが勝ち、モーリスドゲスト賞(G1、1300メートル)をシーキングザパールが勝利。今週末、行われる毎日王冠(G2)を15年に勝ったエイシンヒカリは、翌16年、フランスのイスパーン賞(G1、1800メートル)で2着に10馬身差をつけて圧勝した。今年の毎日王冠も、将来、世界に通用する中距離王が誕生するかもしれない。注目しよう。 (フリーライター)

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