◆第66回
スワンS・G2(10月28日、京都競馬場・芝1400メートル=1着馬に
マイルCS優先出走権)
天皇賞・秋に
イクイノックスを送り込む美浦・木村厩舎は、前日28日の2重賞にも有力馬を送り出す。
スワンS・G2(京都)の
アヴェラーレ(牝5歳)、
アルテミスS・G3(東京)の
チェルヴィニア(牝2歳)と、土日3重賞総なめも狙える布陣だ。
アヴェラーレは3月に3勝クラスを突破すると、8月の
関屋記念で重賞初制覇。順調に
ステップアップしている。木村調教師は「春にだいぶ形になってきたものが、夏にようやく花開いた。年齢的にさらに上昇は難しいけど(普段の)彼女にない毛づやの良さを維持している」と、充実に目を細めた。
母アルビアーノは15年のフラワーCで厩舎に重賞初タイトルをもたらした思い出の馬。「してあげられなかったことが多い」と振り返る功労馬の娘が、
スワンSでは母子2代制覇に挑む。
チェルヴィニアは育成時から能力の高さが評判の“怪物候補”。新馬戦こそ2着に敗れたが、未勝利戦は2着馬に6馬身差をつける圧勝で類いまれな才能の片りんをのぞかせた。今後の試金石となる重賞初挑戦。指揮官は「体調の上昇傾向がなだらか。それでも能力を信じながら基礎工事をしている。これからどう変化してくれるか」と慎重だが、上位人気は必至だ。(角田 晨)
アルテミスSで重賞初挑戦Vを目指す良血
サフィラも注目の一頭
アルテミスSでは、重賞初挑戦Vを目指す良血
サフィラも注目の一頭だ。全兄に19年
朝日杯FSを制した
サリオスがおり、同じ池添厩舎に所属していた半姉
サラキアはG2覇者。
サラキアも担当した山田助手は「脚がぶれない。普通の2歳は左右差があるけど、この馬は真っすぐ駆け上がる」と高い素質を強調した。
新馬戦は1番人気で3着。直線で最内を突いた際、内ラチに接触するアク
シデントがあり、力を出し切れなかった。2戦目は直線で楽に抜け出し、3馬身半差で完勝。同助手は「肉体的にも精神的にも強い。くたっとするかと思ったけど、悪くはなってない」と順調ぶりを実感している。
今回は初の東京コース。山田助手は「小さいけど芯があるし、体幹がある。瞬発力もある。東京のマイルでためて、瞬発力は出せそう」と好感触を持っている。輸送も新潟の初戦で経験しており、不安はない。「相手は強くなるが、どこまでやれるか楽しみ」。近10年の勝ち馬からG1馬4頭が誕生した出世レースで、兄姉に続く一歩を踏み出す。
スポーツ報知