◆第13回
みやこS・G3(11月5日、京都・ダ1800メートル、良)
第13回
みやこS・G3は5日、京都競馬場で行われ、単勝1番人気の
セラフィックコール(Mデムーロ)が重賞初制覇を飾った。無傷の5連勝と全く底を見せない3歳馬はチャンピオンズC・G1(12月3日、中京)の優先出走権を獲得。砂上の新星に名乗りを上げた。
異次元の末脚で突き抜けた。重賞初挑戦で無傷の5連勝。
セラフィックコールがダート界に新星誕生を予感させた。ゴール前では早々と勝利を確信したMデムーロが左手で
ポンポンと優しく首元を叩き、パートナーをねぎらうほどの余裕。「強いですね。連勝中でプレッシャーはあったけどね」と3馬身差の完勝に笑顔がはじけた。
スタート直後につまずき、道中は後方から。3ハロン目から12秒9―12秒5―12秒4とペースが落ち着き、差し馬には難しい流れだった。「促しても上がっていけませんでしたし、その辺はドキドキしました」と寺島調教師。そんな心配も一瞬で吹き飛んだ。直線を向き、馬群の外に出されると豪脚一閃(いっせん)。「4コーナーで気合を入れてからどんどんギアが上がった。思ったより楽だった」と鞍上。あっさり他馬をのみ込み、悠々と先頭でゴールを駆け抜けた。
3日の
JBCクラシックを
キングズソードで制し、交流G1初Vを飾ったばかりの寺島厩舎が再びタイトルを獲得した。「2つともこんなにうまくいくとは思わなかった」と驚きを隠せなかったトレーナー。次走は未定だが、今回の勝利でチャンピオンズCへの優先出走権を得た。「強い馬。ずっと乗せてほしい」と数々の名馬の背中を知るMデムーロがほれ込む好素材。6連勝でG1の頂へ。決して夢物語ではない。(戸田 和彦)
セラフィックコール 父ヘニーヒューズ、
母シャンドランジュ(
父マンハッタンカフェ)。栗東・
寺島良厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算5戦5勝。総獲得賞金は8918万8000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロット
ファーム。
スポーツ報知