「
サウスポーのイメージがついちゃってますが、調教ではむしろ右手前のほうがスムーズなんですよね」
第40回
マイルCS(19日=京都芝外1600メートル)に
イルーシヴパンサーを出走させる久保田厩舎の番頭・池内助手の証言です。
これまでのキャリアで挙げた重賞2勝は昨年の
東京新聞杯と中京施行だった今年初めの
京都金杯。
サウスポーと思われるのも無理はありませんし、右回り京都施行の頂上決戦での走りに不安を持たれる方も多いのでは。
しかし、冒頭の池内助手の弁に思い当たるところも…。真っ先に脳裏に浮かぶのは今年の
中山記念。道中は好位でスムーズに運び、4角では先頭を射程圏内に。ここまではまさに絶好の手応えでした。直線で
シュネルマイスターに内からかぶせられてしまい、そのまま進路が空くことはなかったため、結果的には8着に敗れたものの、右回りの走り自体はむしろ良かったような…。
「本当に4角までは
パーフェクトだったんですけどね。ああいう(詰まる)形になってしまいましたから…」(池内助手)
敗因が右回りとは別のところにあったのは明らかでした。
そんな
イルーシヴパンサーは前走の富士Sでも先行策を選択。よどみなく流れた後方有利の展開の中で4着粘走と大きな成長を見せました。これには指揮官の久保田調教師も「後ろに有利な競馬の中で最後まで踏ん張れたことで競馬に幅が出ましたね」と手応えを見せつつ、気になる京都コースへの適性についても「直線はある程度、距離がありますし、コース形態も合っていると思います」と太鼓判を押します。
これまでマイルGIには左回り東京が舞台の
安田記念に2年連続で参戦して昨年8着、今年10着止まり。しかも「3度目の挑戦」が苦手と思われている右回りとなれば、ほぼ
ノーマークといった状況が予想されますが…。淀のジャングルでひそかにGIを狙う“怪豹”に注目です!
(美浦のラガー野郎・権藤時大)
東京スポーツ