「ジャパンＣ・Ｇ１」（２６日、東京）

　王者の行進は止まらない。ジャパンＣ初参戦となるイクイノックスが２２日、美浦Ｗで最終リハ。連覇を果たした天皇賞・秋の“衝撃レコード”の反動もなく、３頭併せで力感あふれる動きを披露した。国内外のＧ１で目下５連勝中。３冠女王リバティアイランドなど挑戦者たちを再び蹴散らし、レーティング世界Ｎｏ．１の貫禄を示す。

　激闘の疲れなどどこ吹く風。“絶対王者”イクイノックスが、美浦Ｗで軽快かつ迫力ある動きを披露した。まばゆいばかりの朝日を背に浴びながら、４角で内カーペンタリア（４歳３勝クラス）、外サスツルギ（３歳３勝クラス）の間に挟まれる形で直線へ。必死に食らいつく僚馬に胸を貸しつつ、余裕の手応えでフィニッシュラインを越えた。

　６Ｆ８４秒６-３７秒８-１１秒３に、木村師は「スタートから元気良く出て行って、道中で折り合えているか、しっかりと我慢できているか、あとはライダーの指示に従ってしっかりとゴールを目指しているか。基本的なことを確認したかった」と調教の意図を説明。愛馬が出した満点回答に、「いつも通り、良かったと思います」と力強くうなずいた。

　連覇を果たした前走の天皇賞・秋は“１分５５秒２”という衝撃のレコードＶ。「素晴らしい走りだった。すごいなと思いました」と改めて感想を述べた。その分、レース後の消耗度も小さくはなかったが、日々状態を見極めてしっかりとケア。むしろ、中間の調整は今春２戦よりも意欲的で、「ホームで管理できているのは一因」と輸送による負担の少ない“東京決戦”をプラスと捉えている。

　充実の４歳秋。国内外で激闘を重ねたことにより、「非常に体つきが頼もしくなって、どこに行っても堂々としている。海外経験も大きい」と心身の成長を感じている。いまやレーティングは堂々の“世界Ｎｏ．１”。Ｇ１出走機会最多連勝タイの６連勝に向けて、この勢いはとどまるところを知らない。

　指揮官にとって、ジャパンＣは「伝統があって格式高い、世界から認められているレース」。そのなかで、主役を務める立場に「彼自身、世界から注目されているのは十二分に分かっている。少しでもいい状態に持っていくために、残り３日間、丁寧に過ごしていきたい」と気を引き締める。多くのファンに、勝利の二文字を届けたい。「存分に応援していただいて、イクイノックスの背中を押していただけたら」。再び想像をはるかに超える走りが見られるか、興味は尽きない。

提供：デイリースポーツ