◆第57回
ステイヤーズステークス・G2(12月2日、中山競馬場・芝3600メートル)
キングズレイン(牡3歳、美浦・
手塚貴久厩舎、父
ルーラーシップ)に重賞初制覇のチャンスが巡ってきた。
昨年の
ホープフルSで3着になりクラシック戦線をわかせる存在として注目されていたが、熱発の影響で予定が狂い今年初戦の
毎日杯は12着。春を棒に振ることになった。立て直して臨んだ6月の町田特別(2勝クラス)は1・3倍の1番人気に応え快勝。手塚調教師が「
ソールオリエンスと比べても遜色ないよ」と、
皐月賞馬の名を挙げ比較する素質の高さをまざまざと見せつけた。
秋初戦の
セントライト記念では5着に敗れたが、レース後にルメールが「距離はもっとあった方がいい」と話すように長距離適性の高い馬。戦前に陣営が「
菊花賞になんとしても出したい」と言っていたことからもうかがえる。3600メートルのステイヤーズSは最適の舞台だ。
父
ルーラーシップ、
母タッチングスピーチはともに3歳秋から本格化した晩成傾向の強い馬。2頭の血を引く
キングズレインもようやく完成に近づきつつある。それを証明するように、1週前追い切りでは自己ベストとなる3ハロン37秒2―11秒4をマークした。
心身ともに充実期を迎える遅れてきたスター候補の初重賞制覇に期待したい。
スポーツ報知