「
有馬記念・G1」(24日、中山)
スタイルを貫いた。スタートを決め、迷わず行った
タイトルホルダー。1周目のスタンド前から徐々に後続を引き離す。けれん味のない逃げは、G1を連勝した全盛時をほうふつとさせた。最後の坂を上がってからかわされたが、粘り腰を発揮して3着は死守した。
横山和は「あそこまでいったら勝ちたかった」と悔しさをあらわに。一方で「厩舎がこういう状態に持ってきてくれた。結果は残念ですが、この馬らしい走りができた」と秋3戦目、ラストランにして“本来の姿”を見せた相棒をたたえた。
そして、最終レース終了後には別れの時が-。約2万人のファンに見守られる中で引退式が行われた。「勝ちたかったのが本音。すみません」と謝った鞍上に、ファンは温かい拍手を送った。G1勝ち、
凱旋門賞挑戦、そして無念の競走中止…。多くの経験、多くの苦楽をともにした相棒の最後の勇姿に「格好良かったと思う。最後に乗れて幸せでした」と感謝を伝えた。
年明けには北海道新ひだか町のレックススタッドへ向かう予定。これからは種牡馬としての戦いが待っている。生産者である岡田スタッドの岡田壮史さんは「タイトルが獲れなかったクラシックを獲れるようにサポートしていきたい」と語った。夢は続いていく-。
提供:デイリースポーツ