あけましておめでとうございます。新年恒例の馬トク取材班POG担当による24年の3歳馬番付です！　例年の美浦・坂本達洋記者、栗東・ヤマタケ(山本武志)記者に加え、栗東の水納愛美記者も参戦。各路線の勝ち馬予想では、3冠競走が始まるダートも加え、3部門を分析。牡馬ではそれぞれが重賞未勝利馬をダービー馬候補に指名するなど、混戦模様が浮き彫りになった。

　〈牡馬編〉

　坂本(以下「坂」)「昨年は指名馬がG1・2勝。良かったです」

　ヤマタケ(以下「ヤ」)「特に新馬勝ち直後だったソールオリエンスの皐月賞馬指名はお見事。俺なんて、1頭も勝ち馬が…。ついに今年はテコ入れされました」

　水納(以下「水」)「よろしくお願いします！　今年の牡馬は難しいですよね。牝馬のレガレイラやタガノエルピーダが牡馬混合の2歳G1で好走。混戦模様に拍車をかけた感じです」

　坂「う～ん、確かに傑出馬不在ですよね。現時点でダービー馬候補はダノンエアズロックです。昨年から何度も推してますが、展開利があったとはいえ、上がり32秒7の瞬発力でレガレイラを完封したアイビーSで信頼度は高まりました。共同通信杯あたりからG1へ向かうのでは、と想像しています」

　ヤ「俺は混戦だからこそ、データでダービー馬にたどり着きたい」

　水「何か柄にもありませんね」

　ヤ「友道厩舎は16、18、22年と最近、西暦の偶数年にダービーV。そして、24年です！」

　坂「えっ、まさかのケントク買い？」

　ヤ「いやいや、現3歳は牡馬が8頭も勝ち上がっているのよ。なかでもジュンゴールド。差し、逃げと違う形での連勝で底を見せず、2歳G1出走を無理させなかったローテもいい。さらに昨年のソールと同じく次走は京成杯で、当欄との相性込みでの指名です」

　水「何か説得力があるような、ないような…。私も京成杯次第で一気に主役候補かな、と気になっているんです」

　坂「そこは3冠牝馬アパパネの子供、バードウォッチャー(父ブラックタイド)も参戦するんですよ。国枝調教師が前走後の成長に手応え十分で、悲願の牡馬クラシック候補です」

　ヤ「さて、水納のダービー馬候補は？」

　水「エコロヴァルツです。武豊騎手とのコンビで取ってほしい。私、昨年の有馬記念で『競馬はやっぱり武豊』と確信しました。もちろん、それまでの2戦とは一転、断トツの上がりで追い込んだ朝日杯FSに能力を感じての指名ですし、距離延長でも楽しみです」

　ヤ「レジェンド推しか。様々なアプローチがあるなぁ。こんな年こそ記者の腕の見せどころやな」

　坂「よく言えましたね…」　　

〈牝馬編〉

　ヤ「牡馬と同じく牝馬も混戦という印象やね」

　坂「アスコリピチェーノの横綱に“待った”をかけるレガレイラのホープフルS制覇がありましたからね。菊花賞以外の5大特別競走登録をしている点からも今後の動向が気になります」

　ヤ「底知れない能力は感じるけど、器用さに欠ける印象はある。そこで阪神JFでも本命にしたルシフェルをオークス馬候補に。本来は長距離向きで広い東京はもってこいとみて、レガレイラ(坂本指名)どんと来い！　の気持ちです」

　水「私は『牝馬は粒ぞろい』という印象ですね。だから皐月賞馬候補は、お2人も注目のレガレイラですね。あと阪神JFへ出走がかなわなかったチェルヴィニア、ボンドガールには関西からも注目しています」

　坂「確かに。そのチェルヴィニアはルメール騎手が相当、素質を買っているみたいですので、桜花賞馬候補はこれでいきます」

　ヤ「春の2冠を木村厩舎で固めるなんてオマエらしくないな(笑い)。桜花賞は年末に初勝利を挙げたばかりのクイーンズウォーク(栗東・中内田厩舎、父キズナ)。余力十分に先を見据えたような勝ち方から大物感が伝わった」

　水「私は素直に無敗の女王を信頼してアスコリピチェーノですが、相変わらず穴狙いですね」

　坂「1勝馬だと師走に初Vのエリカエスティーム(美浦・宮田厩舎、父モーリス)も。秋華賞馬候補に指名しましたが、もともと陣営の評価が高い一頭。ドラフトでも注目されただけに忘れちゃいけませんよ」

〈ダート編〉

　ヤ「今年から3歳3冠競走の創設などダート路線も大きく変わる。現時点で注目馬は？」

　水「フォーエバーヤング(牡、栗東・矢作厩舎、父リアルスティール)の一択です。結果はもちろん、内容も本当にいい。初代3冠か海外挑戦か、スケールの大きな活躍に期待です」

　ヤ「矢作厩舎だし、この馬は海外っぽいなぁ。坂本はどう？」

　坂「フォーエバーヤングの強さは別格ですよね。関東では白毛のアマンテビアンコ(牡、美浦・宮田厩舎、父ヘニーヒューズ)がどこまで迫れるか。まだ緩いですが、宮田調教師は『そのぶん伸びしろはある』と話しています」

　ヤ「俺はサンライズジパング(牡、栗東・音無厩舎、父キズナ)。芝との二刀流になりそうな異色派だが、先行力とタフさが生きる砂上で期待したいね」

〈馬トク24年3歳馬番付〉

◆牡馬

横綱　　ジャンタルマンタル

大関　　シンエンペラー

関脇　　ダノンエアズロック

小結　　ゴンバデカーブース

前頭1　エコロヴァルツ

前頭2　シュトラウス

前頭3　セットアップ

前頭4　ジュンゴールド

前頭5　トロヴァトーレ

◆牝馬

横綱　　アスコリピチェーノ

大関　　レガレイラ

関脇　　ステレンボッシュ

小結　　コラソンビート

前頭1　チェルヴィニア

前頭2　タガノエルピーダ

前頭3　ボンドガール

前頭4　サフィラ

前頭5　カルチャーデイ

スポーツ報知