リーディングサイアーは12年から22年まで、
ディープインパクトの独壇場だった。しかし、ディープ産駒がクラシックを戦う世代がほぼいない状況の中で迎えた23年は、前年2位の
ロードカナロアと、牝馬3冠を成し遂げた
リバティアイランドなどの活躍で前年5位から数字を伸ばした
ドゥラメンテが最後まで争った。
有馬記念を迎えるまでは
ロードカナロアが首位を守っていたが、
スターズオンアースと
タイトルホルダーが2、3着に食い込み、
ドゥラエレーデがチャンピオンズCで3着に健闘。芝ダートの大一番での活躍で、
ドゥラメンテが
ロードカナロアを逆転した。
ドゥラメンテの産駒獲得賞金は44億6028万8000円。
ロードカナロアは43億9925万円と、約6104万円の僅差で、
ドゥラメンテが初のリーディングサイアーを獲得した。出走回数は、
ロードカナロアより1440回、勝利回数も170回少ない中でリーディングを獲得できた要因は、まさに重賞での強さに尽きる。重賞の獲得賞金は、
ドゥラメンテと
ロードカナロアで11億1710万3000円もの差がついた。
ドゥラメンテは、今年の2歳がラストクロップとなり、血統登録は95頭とやや少ない。ただ、この世代の
ドゥラメンテの種付料は1000万円(前年比300万円増)と、質は最高ランクの世代と言える。
ロードカナロアも、血統登録は111頭と格段に多い訳ではないが、種付料は1500万円(前年比500万円減)と高額の時代が続いており、素質の高い産駒が多い。24年のリーディングサイアー争いは、23年3位
キズナと6位
キタサンブラック、7位
モーリスなどが差を縮めることができるかどうかが焦点となる。
また、
ファーストシーズンサイアー争いは、
ホープフルSを差し切った
レガレイラが産駒初のG1勝ちを成し得た
スワーヴリチャードが、2位
ブリックスアンドモルタルに約1億4733万円の差をつけた。3位
モーニン、4位
ニューイヤーズデイまで2億円を超えたが、
モーニンは
地方競馬の
ファーストシーズンサイアーでは独走。地方の賞金だけで2億円を超え、新種牡馬で唯一の
ミリオンサイアーとなった。
中央競馬で3頭しか勝ち馬がいない状況で総合3位に健闘した点は、ダート競馬の体系整備が、ダート系種牡馬の人気を後押しした象徴と言える。(競馬ライター)
スポーツ報知