「AJCC・G2」(21日、中山)
紅一点の
モリアーナが、中山伝統のG2戦で輝きを放つ。コンビを組むのは、91年に同じ牝馬の
メジロモントレーでこのレースを制した横山典。先週の
京成杯(
ダノンデサイル)を制して自身のJRA重賞最年長V記録を55歳10カ月23日に更新した名手が、伸び盛りの明け4歳馬とともに、今週は33年ぶり2頭目となる牝馬Vの快挙を狙う。
ジンクスめいた“データの壁”に挑むのは、それを越えられる自信があるからだ。今回出走する唯一の牝馬
モリアーナが、AJCCで過去1度しかない「牝馬V」に挑む。
武藤師は「
秋華賞が終わってすぐ、年明けの始動戦をここに定めた。気性の強い馬だからマイルに戻すのは簡単だけど、せっかく2000メートルの重賞(
紫苑S)を勝ったのだから。今年の1走目。しっかり走ってほしい」と期待して送り出す。
牝馬による唯一の勝利は91年の
メジロモントレーだ。その背中には、今回
モリアーナに騎乗する横山典がいた。「牝馬がなかなか勝てないレースというのは知っている。けど、そもそも牝馬があまり出てこないところでしょう。それに33年前、
モントレーに乗っていたのが典さんだから。こう乗れ、ああ乗れは一切言いません。お任せです」と冷静かつ前向きだ。確かに92年以降の出走馬延べ401頭中、牝馬はわずか5・7%の23頭。半数近くの15回はそもそも牝馬の参戦がなかった。
中距離路線なら
中山金杯もあったがG3のハンデ戦より、別定戦であるG2のここを選んだ。「大きなレースに行ける馬と確信しているから。実際、4歳を迎えて幅も出てきたし、トモの厚みも出てきている。追い切り前日で490キロ。480キロ台で出走することになるでしょう。路線がこれで分かることになると思う。良ければ
大阪杯(3月30日・阪神)へ」と指揮官。さらなる大舞台を見据え、ここは試金石の一戦だ。
提供:デイリースポーツ