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【AJC杯】チャックネイトV 外国人女性騎手のキング JRA平地重賞で初の快挙

スポニチ
  • 2024年01月22日(月) 05時28分
 伝統のG2「第65回アメリカジョッキークラブC」が21日、中山競馬場で行われ、短期免許で来日中の女性騎手レイチェル・キング(33=オーストラリア)騎乗の3番人気チャックネイトが重賞初制覇を飾った。2着ボッケリーニとのワンツーとなった金子真人オーナーは98年から27年連続のJRA重賞勝利となった。

 同じ勝負服、染め分けピンク帽の壮絶な叩き合い。内チャックネイトの鞍上キングのムチがうなる。いったんは完全にボッケリーニに前に出られたが、ラスト100メートルで盛り返す。「瞬発力勝負では他の馬には勝てないと思っていた。長所のスタミナを生かすことができた」とキング。泥んこの不良馬場で繰り広げられたダービージョッキー浜中との死闘。ゴール直前、キングの鼓舞に応えたチャックネイトの鼻先がわずかに前に出た。

 外国人女性騎手がJRA重賞を勝つのは02年中山大障害ロケット以来22年ぶり2人目。平地重賞では初の快挙だ。「こうやって日本に来られて重賞に参加できて勝つことができてうれしい」。重賞騎乗は3週連続3回目で全て堀厩舎の管理馬。「落ち着いて走れるように、厩舎スタッフと相談して臨んだ。サポートしてくれている厩舎で勝ててファンタスティック」と喜びを爆発させた。

 「オフにはさまざまな場所を冒険したい」とおちゃめな一面も持つ33歳だが、騎乗ぶりは冷静そのもの。自らの武器を「スタートの技術と、リズム良くレースの流れに乗れること」と分析する通り、この日も好発から3番手を難なく確保。「今日は雨の影響で本当に馬場が悪かったのでリズム良く乗るように心がけた」。4角で前2頭の手綱が動いても、後続が差を詰めてきても、人馬の呼吸を第一に焦らずジッと脚をためた。泰然自若なエスコートが最後のひと伸びにつながった。

 同じく不良馬場だった前回辰年(12年)の当レースを制したルーラーシップは、後に香港G1クイーンエリザベス2世Cを勝ち、G1馬まで上りつめた。底力を問われる消耗戦を勝ち切った価値は大きい。晩成型の名馬を多く出してきたハーツクライ産駒。次走は未定だが、キャリアで一度も掲示板を外していない堅実な6歳セン馬。さらなる大舞台で活躍する日は遠くはない。

 ◇レイチェル・キング 1990年7月31日生まれ。英国オックスフォード近郊ウォーターペリー出身の33歳。06年に英国でアマチュア騎手としてデビュー。14年からオーストラリアを拠点に騎乗。16〜17年シーズンにシドニーの見習い騎手リーディングを獲得。18年スプリングチャンピオンSをメイドオブヘヴンで制しG1初制覇。昨年はタンクレッドS(アラパホ)などG13勝。昨夏の札幌WASJで初来日。第1戦を勝利し女性騎手の過去最高となる2位入賞。JRA通算43戦5勝。1メートル54。好きな日本食は刺し身。

 チャックネイト 父ハーツクライ 母ゴジップガール(母の父ダイナフォーマー)18年5月8日生まれ セン6歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績15戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億4502万7000円 馬名の由来は「人名+人名」。 

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