◆第98回
中山記念・G2(2月25日、中山・芝1800メートル、稍重)
第98回
中山記念・G2(中山)は25日、
横山典弘騎手(56)=美浦・フリー=の円熟の技がさえた伏兵
マテンロウスカイが重賞初V。鞍上は
JRA重賞の最年長勝利を56歳3日に自ら更新した。
円熟の技がさえ渡った。
マテンロウスカイは4角2番手から抜群の手応えで直線を向くと、逃げる
ドーブネを射程圏にとらえた。横山典の左ムチに応えて加速。楽にかわして2馬身差で押し切った。23日に56歳になったばかりの大ベテランは、自身の
JRA重賞の最年長勝利記録を塗り替える今年2度目のタイトル獲得。「松永厩舎、ミキオのところでオーナーの(寺田)千代乃さんの馬でよかったです」と満面の笑みを浮かべた。
イメージ通りだった。好発から内の
ドーブネをマークする形で3番手。稍重にしては速い流れでも「全然タイムは速いとは感じなく、いいリズムでした」。コースを知り尽くした鞍上のロスのないエスコートは、歴代最多を更新する
中山記念6勝目につながった。
気性が荒く、3歳秋の
セントライト記念(13着)の後に去勢した
モーリス産駒。騎手時代の同期に全幅の信頼を寄せる松永幹調教師は「去年の秋から(雰囲気が)すごく良くて、前走の
東京新聞杯(5着)の前から『使ったら
中山記念』とノリと話していた。今日の1着はスカッとしました」と最敬礼だ。
大阪杯(3月31日、阪神)の優先出走権を手にして、初のG1挑戦も視界に入る。指揮官は「ノリと話して考えたい。阪神(
ケフェウスS9着=芝2000メートル)で暴走しているのでね」と話すにとどめたが、さらに絆の深まる白星となった。(坂本 達洋)
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マテンロウスカイ 父
モーリス、
母レッドラヴィータ(
父スペシャルウィーク)。栗東・
松永幹夫厩舎所属のセン5歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算17戦5勝。総獲得賞金は1億7895万1000円。重賞初勝利。馬主は寺田千代乃氏。
スポーツ報知