改めて言うまでもないが、
弥生賞ディープインパクト記念(3歳・GII・芝2000m)は
皐月賞の
トライアルである。しかしながら、レース名が「
弥生賞」から「
弥生賞ディープインパクト記念」に改称された20年以降、近4年の勝ち馬には意外な共通点がある。名前を挙げると
サトノフラッグ、
タイトルホルダー、
アスクビクターモア、
タスティエーラ。そう、この4頭は全て
菊花賞で馬券に絡んでいるのだ。
実はこの傾向は近年だけのものではない。
弥生賞と
菊花賞を両方制した馬は96年の
ダンスインザダーク、99年の
ナリタトップロード、05年の
ディープインパクトなど数多い。また、平成以降の
弥生賞の勝ち馬の牡馬3冠での成績を見ると、
皐月賞が[3-6-6-15]の勝率10%、複勝率50%、
日本ダービーが[6-3-4-15]の勝率21%、複勝率45%、
菊花賞が[5-4-3-7]の勝率26%、複勝率63%。実は
菊花賞で最も好成績を残しているのだ。
弥生賞といえば毎年のようにスローになるレース。それだけに激流になりやすい
皐月賞よりも、ペースが落ち着きやすい
菊花賞とリンクする…と考えるのはこじつけが過ぎるだろうか。
逆に考えると、
菊花賞で好走しそうな馬を
弥生賞で狙う、というのは有効な馬券戦略となるはず。そこで注目したいのは
アドミラルシップ(牡3、美浦・
相沢郁厩舎)だ。父が12年
菊花賞馬の
ゴールドシップなら、全兄
ブラックホールは20年の
菊花賞5着馬。いかにも秋の京都で大輪の花を咲かせそうな雰囲気がある。前走のゆりかもめ賞では1番人気で7着に沈んだが、父の現役時代を彷彿させるムラっ気が出たと考えれば、4着に好走した前々走の
ホープフルSと同舞台の今回は、人気落ちに反発しての激走を期待したい。