競馬の世界最高峰G1に数えられる
凱旋門賞4勝を誇り、日本でも
有馬記念3連覇(02~04年)などG1・12勝を挙げた世界的な名騎手であるオリビエ・ペリエ(51=フランス)が現役引退を表明した。23日、複数の欧州
メディアが伝えた。現地時間の25日(日本時間同日深夜)、フランス南西部のラ・テスト競馬場での騎乗(2鞍予定)が現役最後の手綱となる。
日本のファンにもなじみ深い世界的名手がステッキを置く。地元フランスの競馬専門
メディア「エキディア」に対し、ペリエは「何事にもタイミングがある。最近は明らかに騎乗数が減っている。もう潮時と判断し、やめる決断をした」と心境を明かした。近年はフランス国内で21年69勝、22年45勝、23年18勝と勝利数が減少。今年はここまでわずか3勝止まりだった。
89年にデビューしたペリエはフランスで4度の平地リーディングジョッキーに輝くなど活躍。同国最高峰のG1
凱旋門賞は96~98年に3連覇。12年には
ソレミアで先に抜け出した日本馬
オルフェーヴルを差し切り4勝目を飾った。英国やアイルランド、米国、香港、ドバイなど世界の競馬主要国でも次々と
ビッグタイトルを獲得。ラスト騎乗となるラ・テスト競馬場の公式サイトは「G1165勝を含む重賞502勝、通算3700勝以上の偉大なチャンピオン」と紹介している。
94年に招待競走で初来日。以降、同年に導入された短期免許制度を活用し毎年のように来日。00年フェブラリーSで国内G1初勝利を挙げると、01年には当時初となる3週連続G1制覇(
マイルCS→
ジャパンC→阪神JF)を達成。特に主戦として起用した
藤沢和雄厩舎の管理馬で白星を量産。
シンボリクリスエス、
ゼンノロブロイとのコンビで
有馬記念3連覇や
天皇賞・秋連覇(03、04年)などG1・12勝。
JRA通算379勝、重賞39勝の輝かしい成績を残し、00年代前半の国内競馬シーンを席巻。短期免許で騎乗する外国人騎手のパイオニアとして、後輩のルメールらが続く道を開いた。
ペリエは英競馬
メディア「アットザレーシズ」の取材に「非常に長いキャリアで私は多くの成功を収めてきた。世界中のあらゆる場所で勝利を収め素晴らしい瞬間を経験できた。過去に起こったことを振り返ることができて、とてもうれしい」。今後については「しばらく休んで数カ月後に何が起きるかを見るつもり。友人に会い、子供たちと時間を過ごし、新しい人生を楽しみます」と結んだ。日本競馬にも大きな功績を残した名手は、静かにターフを去る。
◇オリビエ・ペリエ 1973年1月12日生まれ、フランス北西部マイエンヌ県シャトー=ゴンティエ出身の51歳。89年にフランス騎手免許を取得。94年ヤングジョッ
キーワールドチャンピオンシップで初来日。その後、短期免許などで来日する機会が多く、日本でもおなじみの存在となった。96、97、99、00年と仏リーディングに4度輝き、
凱旋門賞3連覇(96年
エリシオ、97年
パントレセレブル、98年
サガミックス)、
有馬記念3連覇(02&03年
シンボリクリスエス、04年
ゼンノロブロイ)など国を問わず数多くのビッグレースを制している。
JRAでは12年
ジャパンC(
ソレミア13着)が最後の騎乗で通算2292戦379勝、うちG1・12勝を含む重賞39勝。1メートル64、55キロ。
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