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【天皇賞】テーオーロイヤル G1初V!長距離重賞3連勝 菱田、師弟でかなえた13年目の歓喜

デイリースポーツ
  • 2024年04月29日(月) 06時00分
 「天皇賞(春)・G1」(28日、京都)

 好位を進んだ単勝1番人気のテーオーロイヤルが直線で力強く抜け出し、重賞3連勝でG1初勝利を飾った。13年目の菱田裕二騎手(31)=栗東・岡田、そして管理する岡田稲男調教師(63)=栗東=はともに、うれしいJRA・G1初勝利となった。2着は5番人気ブローザホーン、3着には6番人気ディープボンドが入った。なお、勝ち馬と単勝は同オッズながら2番人気のドゥレッツァは15着と大敗した。

 有無を言わさない走りで、悲願のG1初制覇を決めた。テーオーロイヤルが直線入り口で早々と先頭に立ち、そのまま後続を寄せ付けず完勝。長距離重賞3連勝で頂点に立ち、名実ともに長距離王の称号を手に入れた。

 「4コーナーを回る時、20年前ここに見に来たあの時の自分に、“見ておいてくれ”という気持ちで追っていました。本当に今まで生きてきて、一番うれしいです」。昨春の京都競馬場リニューアルオープン以降、最多となった6万人超の声援を受けたヒーローは、笑顔で至上の喜びに浸った。

 京都府出身の菱田が初めて競馬場を訪れたのが、04年の天皇賞・春だった。心を動かされ、その時、騎手を志すことを決めた。イングランディーレが大逃げで制したレース。今回も当時と同じ、横山典がマテンロウレオでハナを奪った。

 前半1000メートル通過が59秒7と長距離戦にしては速いペースだったが、展開や他馬の動向は気にせず、ひたすら相棒のリズムを尊重した。前日に四位師にアドバイスをもらい、「2周目の下りをいい感じで回って来られれば」と仕掛けどころだけは注意。十分な勢いを持って直線に向かうと、横綱相撲で押し切った。

 22年目で念願のJRA・G1勝利をつかんだ岡田師は「絶好の位置で運んでくれた。状態も良かったし、安心して見ていられたけど、内心は…」と心の内を明かす。ただ、直線で抜け出した場面では、声をからすのではなく、「何ちゅう馬や!」とロイヤルのあまりの強さに感嘆していた。

 「きょうも、上がってきて、本当に走ったという息遣いではなかった。すごい心肺機能。まだこの馬は良くなる」。春の大目標だった盾を手にしながらも、まだまだ通過点と言わんばかりの表現で、愛馬のタフネスぶりをたたえた。

 デビュー13年目に突入した菱田だが、今でも岡田厩舎に所属。いつか師匠の馬でG1を-その大願は見事に成就した。「岡田厩舎の馬でG1を勝てたのは本当にうれしい。また向上心を持って、騎手としての技術を高めていきたいです」。大きな夢をかなえた人馬は慢心することなく、新たなドラマへと突き進む。

 【アラカルト】 

 ☆菱田 JRA・G1は30回目の騎乗で初勝利。これまでは22年天皇賞・春の3着(テーオーロイヤル)が最高

 ☆岡田師 JRA・G1は延べ32頭目の出走で初勝利。ダートのJpn1は3勝している。これまでは09年朝日杯FSエイシンアポロンの2着が最高だった

 ☆リオンディーズ産駒 JRA・G1は産駒延べ14頭目の出走で初勝利

 ☆馬主・小笹公也氏 JRA・G1勝利は21年チャンピオンズC(テーオーケインズ)以来、通算2勝目

 ☆生産牧場・三嶋牧場 JRA・G1勝利は23年高松宮記念ファストフォース)以来、通算3勝目

提供:デイリースポーツ

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