素質馬が復活を遂げた。東京で9日に行われた「第41回
エプソムC」は1番人気
レーベンスティールが差し切りV。昨年
セントライト記念以来となる重賞2勝目を挙げた。初コンビを組んだ
クリストフ・ルメール(45)は史上5人目となる
JRA重賞通算150勝を達成。函館メインのサ
マースプリントシリーズ第1戦「第31回函館ス
プリントS」は
浜中俊(35)騎乗の2番人気
サトノレーヴがオープン連勝で重賞初制覇を飾った。
メンバー最重量59キロを背負っても自慢の末脚は輝いていた。好スタートを切った
レーベンスティールはピタリと折り合い中団待機。1000メートル通過58秒3のハイペースにも人馬に焦りはない。流れに乗って迎えた直線。馬場の真ん中から、メンバー最速タイの上がり3F33秒7の脚で鋭伸。2着馬に2馬身差をつける完勝だった。
鞍上のルメールは史上5人目となる
JRA重賞150勝を達成した。現役3人目となる
メモリアルVに「重賞は大事ですから。テレビに出られてファンにも見てもらえる」と笑顔がはじけた。初騎乗で完璧エスコート。2つ目の重賞タイトルへ導いた。「59キロで凄く良いパフォーマンスをしてくれた。状態が良いと聞いていたので自信があった。道中は落ち着いていたし3、4角の手応えも良かった。(直線は)楽に抜けることができました」と納得の表情を見せた。
昨年の
セントライト記念では
皐月賞馬
ソールオリエンスを破った
レーベンスティール。だが、その後は
香港ヴァーズ(8着)→
新潟大賞典(11着)と苦戦が続いた。田中博師は「今思うと香港での体調が悪かったのかなと…。その影響を今も引きずっているのではないかと。前回よりも走れる態勢にあると思っていたが本当に走れるのかなと心配していた」。それだけに、この日の復活Vは格別。「ただただホッとしました。強い姿を見せることができた」とかみしめた。
まだまだ伸び盛りの4歳。今後については馬の状態を見て判断されるが、トレーナーは「レース前の消耗が激しいので、気性面は向き合っていかないといけない」と課題を挙げつつも「ここからですね。心身ともまだ幼いので成長に期待したい」。素質の高さを認めているからこそ、言葉にも力がこもる。飛躍を期す秋へ向けて、最高の形で弾みをつけた。
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レーベンスティール 父
リアルスティール 母トウカイライフ(母の
父トウカイテイオー)20年3月8日生まれ 牡4歳 美浦・田中博厩舎所属 馬主・キャロット
ファーム 生産者・北海道日高町の広富牧場 戦績9戦4勝(うち中央8戦4勝、重賞2勝目) 総獲得賞金1億2769万6000円 馬名の由来は生きざま(独)。
スポニチ