父
ブルドッグボス―。その希少な存在に
地方競馬ファンからも注目を集める
ローレルゼロ(牡2歳、栗東・
高橋康之厩舎)が6月16日の函館・芝1200メートルでデビューを予定している。
父はJBCが初めて
浦和競馬場で開催された2019年に、
御神本訓史騎手とのコンビで
JBCスプリントを制覇。浦和所属として、地元の期待を一身に背負い、ゴール前で
コパノキッキングを差し切ったシーンが印象に残っている方も多いはず。当時、南関東担当だった私もその一人だ。
ブルドッグボスは同年のNAR
年度代表馬に選出。20年のゴールドC優勝を最後に現役を引退すると、21年から種牡馬入り。初年度は24頭に種付けし、生産頭数は20頭。11日時点で
JRA登録は本馬を含めて3頭のみとなっている。
「
マキバオーみたい」と
ローレルゼロを表現した古屋助手。その意図を聞いてみると、「ピッチ走法で回転が速い走りをする。顔もかわいいしね」と笑顔で答えてくれた。普段の様子を聞くと、「普段はボーッとしていて、厩舎内で周りの馬がガチャガチャしていても大の字で寝ていたりする。2歳としては珍しいよ」。その走りだけでなく、性格もまさに
マキバオー。私が厩舎にうかがった際も、調教を終えた馬が出入りしたり、洗い場で手入れをされている目の前の馬房で、スヤスヤと眠っていた。
その愛らしいキャラクターだけでなく、能力があるところも示しており、5日に函館芝コースで行われた1週前追い切りでは、ほとんど馬なりで
キスメット(2歳新馬)と併入。洋芝を物ともしない力強いフットワークを披露し、父譲りのスピードと
パワーを秘めていそうだった。「スピードに乗ると上体が起きて、きれいなフォームで走る」と同助手もキラリと光るものを感じている。
貴重な
ブルドッグボス産駒への取材から、競馬漫画の主人公を連想させる馬に出合うことができた。血統とともに、その個性的なキャラからも私の中で俄然、気になる存在になった。(浅子 祐貴)
スポーツ報知