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函館2歳S・G3」(13日、函館)
自らの手でつかみ取ったチャンスをきっちり生かしたい。ルーキーの大江原比呂騎手(19)=美浦・武市=が、6月福島で新馬勝ちした
ラインパシオンとの継続コンビで重賞に初挑戦。北の大地でパートナーを世代初の重賞Vへと導き、自身も史上6人目の偉業(重賞初騎乗初制覇)達成で大きな飛躍を遂げる。
デビューからわずか4カ月。大江原比呂は巡ってきたチャンスに武者震いする。重賞初騎乗初Vとなれば、22年の
今村聖奈(
CBC賞=
テイエムスパーダ)以来、史上6人目の快挙。比呂は「まさか乗れるとは思っていませんでした。ありがたいですし、この機会を無駄にしないようにしたい」と気合を入れる。
相棒は
ラインパシオン。新馬戦は9頭立てで6番人気の評価だったが、好位を手応え良く進むと、ラストは上がり最速の脚で図ったように差し切った。自身にとってもJRA2勝目を挙げた思い入れの強い馬。「新馬とあって発馬が分かっていない感じで速くはなかったですが、出てからはしっかりと真面目に走ってくれました。最後まで反応してくれましたし、すごくいい馬だと思います」と信頼を口にする。
ダートからの転戦組は
グレード制が導入された84年以降(ダート1000メートルで行われた94年を除く)ずっと勝てていなかったが、昨年の
ゼルトザームがそのジンクスを払拭した。比呂も「動きは軽いので芝はいいと思います」と歓迎する。自身の函館初参戦には「先輩方に聞きたいですし、どう乗ったらいいのか、自分なりに考えたい。緊張はしていないです」と、浮足立つことなく冷静にレースを見据えている。
ひと足先に函館入りしたパートナーは順調に調整過程を踏んでいる。黒田助手は「一回使って気持ちの面が成長した。体は変わりないけど、上積みはあると思う」と手応えを口にする。「初戦も大江原ジョッキーがうまく乗ってくれたし、重賞挑戦で頑張ってほしいね」とエールを送った。
先日に重賞初Vを決め、JRA通算100勝も達成した
永島まなみを中心に、女性騎手の活躍が目立つ競馬界。後れを取るわけにはいかない。「本当にすごいなと思います。自分も負けないように頑張りたいです」。北の大地で結果を残し、ブレークの足掛かりとしたい。
提供:デイリースポーツ