“ダート改革”の一環として新設されたネクストスター北日本を筆頭に、牝馬限定重賞のフロイラインスプリント、フロイラインCなど、今年のホッカイドウ競馬は3歳戦が充実した。古馬マイル重賞だったこの星雲賞は、昨年から3歳限定の1200m戦に条件が変わったわけだが、今年は同じく3歳戦に生まれ変わった北海道スプリントCの前哨戦として、より重要な意味を持つことになる。

　当然、ここに出てくる馬は、そのダートグレードを意識して地元に残留した世代トップランカーたち。少頭数ながらレベルの高い一戦である。なかでも今シーズンの充実ぶりでは、ネクストスター北日本、グランシャリオ門別スプリントと重賞連勝中のストリームが一歩リードだろう。昨年は栄冠賞V以降、やや伸び悩んだ印象だったが、ひと冬を越して再び上昇気流を捕まえた感がある。特にグランシャリオ門別スプリントでは、スティールペガサスなど古馬一線級を撃破したのだから、地力強化は本物である。

　一方、2歳時はストリームを上回る実績を挙げ、この世代のエース格だったトラジロウは、ネクストスター北日本でまさかの8着に沈んだ。ただ、当時の調教過程には、オフからの立ち上げにやや苦心した感があり、シーズン緒戦で仕上がりの差が如実に表れてしまった格好である。さしずめ、「休み明けはつらいよ」といったところだろうか。次走の条件戦ではきっちりと巻き返し、自己ベストタイムで勝利したように、敗戦の尾は引かなかった。本調子に戻ったのならば、今回はネクストスター北日本の借りを返す時だろう。

　上記2頭に勝るとも劣らないスピードを持つライトヴェールも争覇圏の1頭だ。まだタイトル獲得こそないが、昨年はエーデルワイス賞4着、今年もフロイラインスプリント2着と、重賞で大きな存在感を示している。今回も逃げて主導権を握るはずで、同型馬不在とあらばチャンスは十分だ。他では、末脚が魅力のデュアルロンド、素質では引けを取らないリコーシャーマンも押さえておきたい。

(文：競馬ブック・板垣祐介)