先週前半はセレクトセール2024が話題を席捲。セリに参加したある調教師は「1億が普通に思えちゃうって、ちょっと異常ですよね」と苦笑い。それでも馬主の希望予算内でオーダーに近い馬を競り落とすことができたとのこと。来週以降もセレクションセール、サマーセールと行われるが、きっと賑やかな取引になることだろう。
今週は2022年セレクトセール当歳にて、8600万円(税抜き)で落札された
ジュンライデン(栗東・
友道康夫厩舎)が出走予定。父
レイデオロの2年目産駒となるが、この世代で産駒初の重賞制覇が成し遂げられるかといったところも注目である。
【7月20日(土) 小倉芝1800m】
◆
グレインワーク(牡、父
オルフェーヴル、
母エスメラルディーナ、栗東・
池添学厩舎)
半兄に2022年
小倉大賞典を勝ち、
大阪杯では3着というGI実績も残した
アリーヴォ(父
ドゥラメンテ)がいる。母は現役時代に川崎ダート2100mで行われた
関東オークスを制している。
本馬は3月22日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験合格後に牧場へ戻って調整を進め、6月21日に栗東へ再入厩。坂路とCWでの追い切りを併用しながら、調教を進めているが、レースでも騎乗予定の
松山弘平騎手が跨った1週前追い切りが秀逸。古馬1勝クラスの2頭に挟まれる併せ馬で真ん中からしっかり抜け出して最先着。6F81.4秒、3F37.4秒、1F11.7秒と全体時計もラストも素晴らしい数字でまとまっている。
◆
ジュンライデン(牡、父
レイデオロ、
母チェリーコレクト、栗東・
友道康夫厩舎)
冒頭でも紹介したセレクトセール取引馬。同厩舎で管理された半兄
サトノグランツ(父
サトノダイヤモンド)は
京都新聞杯、
神戸新聞杯で重賞2勝を挙げている。
本馬は4月26日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験合格後に牧場での再調整を挟んで、デビューに向けての再入厩という流れ。CWでの追い切りではいつも見映えしないが、時計自体は少しずつ詰めている。1週前追い切りのCW3頭併せではレースでも騎乗予定の
荻野極騎手が騎乗。この時も一番遅れる形となったが、6F82.0秒、3F36.4秒と時計自体はしっかりと出ている。
【7月20日(土) 札幌ダート1700m】
◆
アローオブライト(牡、
父ヘニーヒューズ、
母アドマイヤアロー、栗東・
渡辺薫彦厩舎)
母系に
中山金杯連覇など重賞3勝を挙げた
アドマイヤフジ(
父アドマイヤベガ)や、2021年
新潟大賞典を勝った
サンレイポケット(
父ジャングルポケット)がいる血統。
本馬は5月9日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。5月17日にゲート試験を合格した後、一旦ノーザン
ファームしがらきへ戻り、その後は北海道へ向けて出発。ノーザン
ファーム空港で調整した後、6月21日に函館競馬場へ入厩した。直前まで芝とダートの番組選択を悩んでいたようだが、追い切りの動きや血統的なことも含めてダートへ向かう。なお、鞍上は
藤岡佑介騎手が予定されている。
【7月21日(日) 小倉芝1200m】
◆
セレーネアステール(牝、父
ルーラーシップ、
母ルナステラ、栗東・
武幸四郎厩舎)
おじに2019年
ジャパンCなど、GIで2勝を挙げ、現在は種牡馬として活躍する
スワーヴリチャード(
父ハーツクライ)がいる血統。
本馬は5月24日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。6月6日にゲート試験を合格して、その後は牧場で再調整。6月25日に栗東へ戻ってきて、坂路での追い切りを開始。CWでの1週前追い切りには
松山弘平騎手が跨り、3歳未勝利を追走。6F87.4秒と時計は地味だったが、初めてのCWでの追い切りという点を考慮すれば及第点といった動きだろう。
(取材・文:井内利彰)